社会・経済ニュース
2013年11月05日号
財務省が発表した4〜9月の税収実績によると、前年比4%増加の約13.5兆円となった。内訳をみると、所得税収が賞与や配当収入の増加を背景に5.5%増となった。また法人税収も3.6%増となり、来年3月期決算に向け、堅調な景気回復や消費増税の駆け込み需要を背景に企業の所得金額はリーマンショック前を超える見通しで、大幅な法人税収の増加が見込まれている。
厚生労働省は6月1日時点での高年齢者雇用状況で継続雇用を希望した人全員が65歳まで働ける企業の割合が66.5%となったと発表した。前年比17.7ポイント上昇した背景には、本年4月に施行された改正高年齢者雇用安定法に加え、少子高齢化で若い働き手が減っていることを予測して早目に65歳までの雇用確保を急ぐ企業が多いことがある。
貿易統計によると、4〜9月の金の輸出から輸入を差し引いた流出量は前年同期比2.1倍の約37.3トンに上ることが明らかになった。4月上旬に円安の進展で金価格は1グラム5000円を超えたものの、同月中旬には相場が急落し高値換金で金を手放す向きが増加したものとみられる。金の年間輸出量が最も多かったのは2011年の122.9トンだった。
国税庁のまとめによると、2012事務年度(2012年7月〜2013年6月)における所得税の実地調査件数が6万9974件となり、前年度を3割減少したことが分かった。申告漏れでの指摘額も同11%減の8578億円となった。実地調査件数が減少した背景には、本年1月の国税通則法の改正によって課税理由の事前説明が原則義務化されたことにより事務量が増加したためとみられる。
世界取引所連盟(WFE)の世界全体株式時価総額の月次推計によると、9月末時点で60兆6900億ドルとなり、10月までに世界株指数が4.6%上昇したのを受け、時価総額は過去最高の63兆5千億ドルを超え、過去最高を更新したと推計された。リーマンショック前の2007年10月の62兆7700億ドルを上回ったとされる。金融緩和政策で余剰マネーが株式に流入している構図が世界的な株高を演出している。
全国軽自動車協会連合会は、10月の軽自動車の新車販売台数は15万7083台で、10月としては過去最高になった。新車の投入が奏功したもので、新車販売台数に占める軽自動車比率は37.3%となった。今後、年度末に向けて消費税率引き上げ前の駆け込み需要が見込まれ、2013年通年でこれまで最高だった2006年の202万台を超えることが確実視されている。
厚生労働省のまとめによると、2010年3月に大学を卒業して就職したものの、就職後3年以内に仕事を辞めた割合が31.0%に上ることが分かった。高卒者では39.2%に上る。同省では「ブラック企業」の増加に背景にあり、職場環境が厳しく、早期離職の背景にあるとみている。大卒で離職率が高かった業種は、宿泊・飲食サービス業(51.0%)、教育・学習支援業(48.9%)、医療・福祉(37.7%)だった。
厚生労働省が今年度始めた「若者応援企業宣言事業」で、この8月末までに積極的に若者を採用・育成する企業約3500社を認定した。宣言企業の認定に当たっては、労働関連法令の順守や離職者数や有給休暇取得状況を開示することが条件となっている。認定された企業にとっては、「非ブラック企業」としてのお墨付きを国から受けたことになり、中小企業への就職に不安を感ずる学生へのアピール力を増すことになる。