社会・経済ニュース
2013年11月12日号
財務省は国債と借入金、政府短期証券を合計した、いわゆる「国の借金」が9月末時点で1011兆1785億円になったと発表した。過去最大を更新し、国民1人当たりに換算すると約794万円となる。6月末に初めて1千兆円を超えており、同省では今後も借金の増加基調にあり、2013年度末には1107兆円に達するとみている。
政府は、来年度から訪日外国人旅行者の消費税の免税措置を拡大する方針を打ち出した。現在、家電品やカメラ、衣服などの土産物が税務署の許可を得た免税店でパスポートを提示すれば消費税が免税となっているが、この対象商品を化粧品、市販薬、日本酒などの酒類などを拡大するとしている。外国人旅行者数の増加を図るとともに、地方経済の底上げと雇用拡大を目指すとしている。
会計検査院がまとめた国の2012年度決算の検査報告で、税金の無駄遣いとして指摘した額は4907億円で過去3番目の多さになる。省庁別の指摘額では、経済産業省の1153億円が最大で、防衛省(1041億円)、法務省(809億円)が続いた。また、630件の事業について改善が必要だと指摘した。国民負担を求める消費増税を前にして、政治のリーダーシップによる税金の無駄遣いへのスピード改善が急がれる。
金融広報中央委員会が公表した「2013年家計の金融行動に関する世論調査」によると、金融資産の保有目的(複数回答)が「老後の生活資金」が最多の65.8%で、「病気や不時の災害への備え」(63.8%)が続いた。1世帯当たりの金融資産の平均保有額は1101万円でほぼ前年と横ばいだった。ただ、金融資産を持たないとした世帯比率が31%となり、1963年以降で最高となった。
米IDCの発表によると、7〜9月のスマートフォン(スマホ)の世界出荷台数は前年同期比39%増の2億5840万台となり、四半期ベースでは過去最高を更新したことが分かった。従来型を含む携帯電話端末全体のスマホの割合は55%を占めることになり、スマホが携帯電話端末の主流を占める実態にある。今後も好調な販売が続くものともられ、2013年の出荷台数は初の10億台に達するとみられる。
連合総研が20〜64歳の民間企業に勤務する会社員を対象にしたアンケート調査を行ったところ、17%の会社員が「自社はブラック企業」と認識していることが分かった。年代別にみると、20代が24%で最も高く、30代(21%)、40代(15%)が続いた。また、過去1年間に職場で違法状態があったかの質問で、29%が「ある」と答え、具体的には「残業代の未払い」(19%)が最も多かった。
東京都の5年ごとの人口推計によると、2020年の1336万人をピークに減少に転じて、2060年には300万人減少の1036万人になることが明らかになった。2010年と2060年を対比すると、15〜64歳の労働力人口は885万人から553万人に減少し、逆に65歳以上の高齢者は264万人から407万人増加し、全体の4割を占める。人口減と少子高齢化は首都でも避けられない実態にある。
国税庁のまとめによると、本年6月までの2012事務年度の1年間での法人に対する実地調査件数は、前年度比27.4%減少の9万3千件だった。1967年度以降で2番目の低水準となった。実地調査件数が減少した背景には、本年1月の国税通則法の改正によって課税理由の事前説明が原則義務化されたことにより事務量が増加したためで、事実、1件当たりの調査期間が平均2.6日延びている。