社会・経済ニュース
2013年11月26日号
経済開発機構(OECD)が発表した最新版の世界経済見通しによると、日本の実質国内総生産(GDP)成長率は2013年の1.8%から、14年は1.5%、15年は1.0%になだらかに減速すると予測していることが明らかになった。成長率の減速理由として、消費税引き上げなどの財政再建や新興国での減速が影響するものとみている。OECDは2015年での成長率を米国は3.4%、ユーロ圏は1.6%、中国は7.5%と見込んでいる。
厚生労働省は、今年6月1日時点で障害者雇用を義務付けられている従業員50人以上の企業での障害者雇用率は1.76%となり、過去最高を更新したと発表した。今年4月に法定雇用率が2.0%に引き上げられたことが後押ししたものとみられるが、法定雇用率を達成した企業の割合は、前年比4.1ポイント減少の42.7%にとどまった。雇用総数も約40万8900人で過去最高を更新した。
内閣府の「外交に関する世論調査」によると、尖閣諸島問題などの影響を反映し、中国に「親しみを感じない」との回答は80.7%となり、過去最高を更新した。中国への親近感を持てない人の割合は2000年の40%台から増加傾向にある。「親しみを感じる」国・地域では、米国(83.1%)、東南アジア(60.4%)、韓国(40.7%)、ロシア(22.5%)の順となっている。
厚生労働省と文部科学省が全国の62大学の来春卒業予定の大学生約5千人を対象にした調査で、大学院進学や留学などを目指さずに、就職を希望する割合が過去最高の77.9%に達していることが分かった。文部科学省では「アベノミクス効果で企業が採用を増やす傾向が高く、今のうちに就職しようという意欲が高い」とみている。10月1日時点での就職内定率は64.3%と依然高い。
政府観光局の推計調査によると、10月に訪日した外国人旅行者は前年同月比31.5%増の92万9千人だったことが分かった。国・地域別にみると、台湾が58.0%増の21万3500人で首位となり、韓国、中国が続いた。とくに中国は同74.1%増と大幅な増加となった。今年1〜10月までの累計は866万人となったが、政府が年間目標としている1000万人達成は微妙な状況にある。
東北大加齢医学研究所の川島教授グールプは脳画像解析と追跡調査により、子どものテレビの長時間視聴は言語知能などをつかさどる脳の前頭極に悪影響を及ぼすと発表した。2008年からの追跡調査では、「テレビを長時間見る」と答えた子どもほど、歴年後の知能テストで言語能力が低く、脳画像解析調査では成長に比例して減少する灰白質と呼ばれる部分が「テレビを長時間見る」と答えた子どもほど減少幅が小さかった。同教授は「テレビ視聴制限の必要性が脳科学でも裏付けられた」としている。
厚生労働省の就労条件総合調査によると、2012年に定年退職した民間企業の大卒労働者(勤続35年以上)の1人当たり平均退職金額は2156万円だった。5年前調査と比較して、335万円減少している。退職金は退職時の一時金と企業独自の年金額を集計している。減少した背景には、中高年の賃金が抑制されたことに加え、低金利による運用難で年金給付の原資が乏しくなったものとみられる。
文部科学省の2012年度体力・運動能力調査によると、地域のスポーツ同好会やフィットネスジムなどのスポーツクラブに所属している成人の割合が最も高いのは、70代前半女性の44%だった。男性も70代後半の41%が最も高かった。逆に最も低かったのは、30代後半女性の19%で、男性では20代後半と30代後半の25%だった。時間に余裕があり積極的に運動に取り組んでいる高齢者層の姿が見て取れる。