社会・経済ニュース
2013年12月17日号
5年2か月ぶりの円安水準に
12月13日の東京外国為替市場は一時、1ドル=103円92銭となった。5年2か月ぶりの円安水準に陥った背景には、米景気の回復期待感が円を売ってドルを買う動きへと強まった。輸出企業にとっては収益を押し上げ、株価上昇の好結果をもたらす一方で、原材料の仕入れ高騰で中小・零細企業には収益押し下げ効果をもたらしかねない。

大企業、景気の先行き悪化予測
財務省と内閣府は全国の10〜12月期の法人企業景気予測調査によると、大企業の全産業の景況判断指数(BSI)はプラス8.3となったものの、前期(7〜9月:プラス12.0)から悪化予測に転じた。4四半期の1年ぶりの悪化予測。先行きの来年1〜3月期は消費増税の駆け込み需要増でプラス11.8と予測し、来年4〜6月期では消費増税の需要減でマイナス4.1と予測している。

国債発行額、過去最高に
政府は近く閣議決定する2014年度予算案に対応して国債発行計画を決めるが、2014年度の国債発行総額は180兆円前後となる見通しで、前年度を10兆円ほど上回り、過去最高の発行額となるものと見込まれている。大幅な国債発行額の背景には、過去の経済対策で発行してきた国債の償還期を迎えての借換債の増加に対応するものとなっている。

万引の認知件数割合、上昇傾向に
警察庁のまとめによると、今年1〜11月に全国の警察が把握した刑法犯のうち、「万引」の占める割合は9.6%に上り、年間で過去最高を記録した昨年(9.8%)を上回る可能性が出てきた。万引割合は過去20年で上昇傾向にある。とくに、65歳以上の高齢者が昨年に次いで多く摘発され、2008年以降、14〜19歳の未成年を上回っている。高齢者による万引被害の平均額は2600円で未成年者などに比べ低額だった。

企業物価、5年ぶりの高い伸びに
日銀が発表した11月の国内企業物価指数(2010年平均=100)は、前年同月比2.7%上昇したことが分かった。上昇は8カ月連続で、2008年10月(同4.5%増)以来の高い伸びとなっている。円安によるエネルギー関連の輸入価格上昇が主たる要因である。企業物価を品目別にみると、石油・石炭が12.6%、消費増税前の駆け込み需要による住宅建設の増加を背景とした製材・木製品が13.9%上昇している。

継続雇用の月給水準、定年時の6〜7割
住友生命保険が60歳以上の雇用状況調査を行ったところ、90.3%の企業・団体で再雇用制度を導入していることが分かった。また、継続雇用された人の月給水準は定年を迎えた時点と比べ、「6割以上7割未満」が23.4%で最も多く、「5割以上6割未満」(21.6%)が続いた。5割〜7割水準が全体の半分を占め、企業の雇用確保への配慮と、働き手の収入確保という双方の折衷水準が伺える。

いじめ、過去最多の19万件超に
文部科学省の問題行動調査によると、全国の国公私立の小中高などが把握した「いじめ」は前年の2.8倍となる19万8108件に上り、過去最多になったことが分かった。「いじめ」把握件数が増加した背景には、学校実施のアンケートが前年度の2倍近い学校で実施され、同省では「学校側が積極的に把握に努めた結果」と分析している。東日本大震災で被災した岩手(前年比6.9倍)、宮城(同6.2倍)、福島(同4.3倍)が全国平均を大きく上回っている。

2013年「今年の漢字」は「輪」に
日本漢字能力検定協会が毎年世相を1字で表す「今年の漢字」を公募により決定しているが、2013年は「輪」に決まった。「輪」は応募がトップで、理由として2020年東京五輪の開催決定、官民一体となって実現した富士山の世界文化遺産登録、さらには国内外の災害復興支援の輪が広がったことが挙げられた。清水寺の森貫主は「東日本大震災からの復興が遅々とする中、さらに力を合わせ、平和の輪が広がることを願う」と話した。