社会・経済ニュース
2013年12月24日号
新規上場企業、6年ぶりの高水準
日本取引所グループ(JPX)によると、国内の株式市場に2013年新規上場した企業数は54社となり、2007年以来6年ぶりの高水準となった。アベノミクスでの株高と併せ、市場から資金調達し、事業拡大や設備投資を図りたいとする企業の意欲が高いことを浮き彫りにしている。エコノミストは「円安株高がさらに続けば新規上場の増加傾向が続く」とみており、JPX担当者も「来年は70社程度の上場もあり得る」と期待する。

ネット不正送金被害額、過去最高に
警察庁のまとめによると、今年1〜11月まで、インターネットバンキング利用者のIDとパスワードが盗まれて、預金が別口座へ不正送金される被害は1125件で、被害額は約11億8400万円に上ったことが分かった。被害額が過去最高だった2011年(約3億円)の4倍近くになった。ネットバンキング利用者がウィルスを仕込まれたメールを開き、ウィルス感染したパソコンからIDとパスワードが抜き取られるケースが多かった。

下請け業者が建設費引き上げを全国決議
建設関連の下請け業者の全国組織である建設業専門団体連合会は、人手不足による人件費高騰や資材価格の高騰で経営に大きな打撃を受けていることを背景に、経団連など30団体に対し「安値発注は請け負わない」とする決議文を送付していることが分かった。ゼネコンも発注額の引き上げ求める下請け業者に呼応し、建設業界が建設費引き上げに動き出した。

首都直下地震での経済被害は95兆円に
政府の中央防災会議はマグニチュード7.3の首都直下地震が発生した場合、東京など首都圏で死者数は2万3千人に達し、経済被害は95兆3千億円に及ぶとする想定結果を発表した。死者数は木造住宅密集地域の火災被害を厳しく見積もったことから、8年前の前回想定(1万1千人)より倍増している。経済被害は、建物やインフラなどの損壊、経済活動への影響を、それぞれ約47兆円を想定している。

外国人旅行者の4割が「放射能不安」
日本政策投資銀行が行った意識調査によると、外国人旅行者の4割が「放射能による健康被害」を不安にしていることが分かった。放射能を不安視する向きを地域別にみると、韓国で最も高い7割にも達し、次いで、香港が6割弱、台湾と中国は4割を超えた。同銀行では、「放射能の懸念は国内より海外の方が敏感で、適切な情報発信が必要だ」と指摘している。

約950万人に糖尿病の疑い
厚生労働省が5年に1回行っている糖尿病の有病率推計調査によると、2012年時点で糖尿病が強く疑われる成人男女は約950万人に上ることが分かった。無作為抽出した約2万4千世帯を対象にした調査で、既に糖尿病と診断された人に加え、血液検査で血統状態を示すヘモグロビンA1cが一定の基準値を上回った人を糖尿病が強く疑われる有病者とし、全国推計したもの。15年前の約690万人から約260人増加している。

約7割が「18歳成人」に反対
内閣府が行った成人年齢を現行の20歳から18歳への引き下げに関する世論調査によると、69.0%が反対していることが分かった。5年前の前回調査(69.4%)とほぼ同じ水準で、国民の「18歳成人」に対する抵抗感が依然根強いことを示した。また、調査では、成人年齢引き下げ議論に「関心がない」と答えたのは前回調査より5.6ポイント増加の29.6%で、議論そのものへの関心が薄らいできている実態も伺えた。

加速する高校生の視力低下
文部科学省の2013年度学校保健統計調査によると、裸眼視力1.0未満の高校生の割合は65.8%となり、過去最高となったことが明らかになった。小学生(30.5%)、中学生(52.8%)は過去最高を記録した前年度に次ぐ高水準にある。同省では「パソコンやゲームに加え、スマートフォンの長時間使用が影響しているのではないか」と指摘している。