社会・経済ニュース
2014年01月21日号
国の正味財産、3千兆円に増加
内閣府は2012年度の国民経済計算によると、資産から負債を差し引いた国全体の正味財産(国富)が2012年末に前年比1.1兆円増加の3000.3兆円になったと発表した。5年ぶりの増加。国富の内訳は、企業や個人が海外に持つ資産から負債を差し引いた対外純資産は過去最高の296.3兆円、国富の3分の2を占める家計部門の正味資産は6年ぶりに増加し2232.7兆円となった。ただ、政府部門は38.8兆円の債務超過だった。

女性医師、過去最高の5人に1人
厚生労働省の調査によると、2012年末時点での女性医師数は5万9641人となり、医師全体の19.7%を占め、過去最高を更新したことが分かった。女性医師数の増加は前回調査(2010年末時点)より6.7%増加し、男性医師数の増加(1.9%増)を大幅に上回った。医学部入学者に占める女性の割合が3割超えるようになったことに加え、出産・育児で離職した女性医師の職場復帰を支援する動きが広がったことが背景にある。

インフラ更新費、10年後は年5兆円超
国土交通省が発表した道路や空港などのインフラ10分野の維持管理・更新費用の推計によると、10年後は年間で最大5.1兆円に上り、2013年度比で4割の増加となることが分かった。インフラの老朽化が進むことで、20年後は、年4.6兆〜5.5兆円にまで膨れ上がる。これまで、2011〜60年までの50年間で更新に必要な経費は190兆円になると試算してきたが、今回、更新対象を拡大したことで、3割以上の支出予算が必要とされる。

私立高生の学習費、公立の2.5倍に
文部科学省の学習費調査によると、私立高校生の保護者が2012年度に支払った生徒1人当たりの学習費総額は96万7千円で、公立高の38万6千円と比べ2.5倍強となっていたことが分かった。1994年調査開始以降で格差は過去最大となった。少子化で一部私立校が学費値上げしたことで、格差が拡大したとみられる。文科省は2014年度から親の年収590万円未満の私立高生に財政支援するとしている。

中国での新規マネー、過去最高に
中国人民銀行は昨年企業の債券発行などを含めた新規融資の規模を示す「社会融資総量」は過去最高の17兆2900億元(約298兆円)に上ると発表した。同総量は企業や個人など社会全体に供給されたマネーの規模を示すもので、銀行を介さない「影の銀行」の拡がりを鮮明にしたといえる。人民元建て融資比率は51.4%で、「影の銀行」といわれる企業間のまた貸しが膨らんでいる。実態経済と乖離したマネーの膨張は不良債権の増加などで景気への混乱要因となることをはらんでいる。

6割が増税の駆け込み購入予定なし
日本生命保険が一般消費者8千人を対象にした調査によると、62%の人が「消費増税を見越した買い物の予定はない」としていることが分かった。また、野村総合研究所の調査でも64%の人が消費増税前に「何も買っていない、予定はない」としている。増税後は「安くて経済的なものを選ぶ」(45%)、「特売の商品を買う」(38%)の回答が多く、依然、節約志向が根強い事を浮き彫りにした。

2月から家電量販店等の販売額を公表
経済産業省は2月から家電量販店、ドラッグストア、ホームセンターの販売額を業種毎に「専門量販店販売統計調査」として公表する。個人消費の実態を把握することが狙いで、本年末にも判断するとしている消費税率10%の判断材料にもなる。新たに公表される統計調査では都道府県ごとや商品ごとの販売額も示される。

自殺者、2年連続で3万人を割り込む
警察庁のまとめによると、昨年1年間の全国の自殺者数は2万7195人となり、2年連続で3万人を下回った。自殺者減少は4年連続で、地域自殺対策緊急強化基金の創設で市区町村単位での自殺防止活動が奏功したとみられる。都道府県別に増加率が高かったのは、香川が18.2%、島根が18.2%で、減少率が高かったのは熊本が16.1%、山口が15.6%だった。