社会・経済ニュース
2014年03月25日号
3月20日、2014年度予算が参院本会議で可決、成立した。一般会計総額95兆8823億円は過去最大規模となった。年度内での予算成立は3年ぶりで、3月20日の成立は戦後3番目の早さとなった。歳入の43%を国債発行が占め、依然、国債頼みの予算となっている。歳出では、公共事業費が前年度当初予算比12.9%増と際立ち、東京五輪やインフラ整備を急ぐ姿勢がみられた。首相は「景気回復の軌道を確かなものとする」として、景気の腰折れ回避に向け、切れ目のない予算執行を表明した。
内閣府が行なった社会意識に関する世論調査によると、現在の世相で明るいイメージ(複数回答)は「平和である」(48.1%)が最も高くで、「おもいやりがある」(21.7%)、「安定している」(14.1%)などの順だった。逆に、暗いイメージは「無責任の風潮が強い」を挙げた人の割合が43.9%と最も高く、「ゆとりがない」(38.3%)、「自分本位である」(35.0%)、「活気がない」(30.2%)が続いた。
国土交通省が発表した2014年1月1日現在の全国の公示地価によると、全国平均は住宅地で前年比マイナス0.6%、商業地が同0.5%とほぼ横ばいだった。しかし、東京、大阪、名古屋の三大都市圏では、住宅地が同プラス0.5%、商業地が同プラス1.6%となり、6年ぶりに上昇した。上昇地点は前年の約2千カ所から約7千カ所へと大幅に増加、地方都市にも地価の回復傾向がみられた。
日本自動車工業会の発表によると、2014年度の国内新車販売台数は前年度見通しより15.6%減少の475万台になると予測していることが分かった。内訳では、普通車などの登録者が294万台(同13.5%減)、軽自動車が181万台(同18.8%減)となっている。500万台を割り込むのは3年ぶりとなる。消費税増税の駆け込み需要の反動が大きく影響した予測となっており、事実、前回の消費税増税時も14%減少した。
カカクコムが消費増税実施の4月以降についての家計支出の増減に関する調査によると、「減らす」が33.1%で、「どちらかといえば減らす」を加えると、支出減少傾向が見られたのは全体の71.6%を占めた。支出を減らす分野で最多だったのは「外食費」(26.0%)、「外食を除く食費」(13.4%)、「旅行・レジャー費」(9.2%)、「洋服・ファッション関連費」(8.1%)が続いた。
労働政策研究・研修機構がメンタルヘルスやがん、脳疾患などによる病気について、休職制度の有無や期間、退職・復職の状況について調査で、うつ病などのメンタルヘルスの不調で会社を休職した社員の42.3%が休職制度利用中や復帰後に退職していることが明らかになった。メンタルヘルスでの退職率は休職制度の上限が短い企業ほど高い傾向にあり、休職できる期間が短いことで治療が十分でないことを浮き彫りにした。
リクルートジョブスは三大都市圏でのパート・アルバイトの2月の平均募集時給は前年同月比0.7%高い948円となったと発表した。8カ月連続で前年同月を上回り、高止まり状態が続いている。とくに、飲食店や引っ越しなどの運輸関連での職種の時給が上昇し、全体を押し上げている。また、求人数も卒業などで学生バイトの入れ替わりで増加している。
ダイヤ高齢社会研究財団が会員企業の60歳までの社員を対象にした調査によると、介護のリスクがある親を抱える社員は、51〜55歳で51.4%と過半数の割合となっていることが分かった。次いで、56〜60歳(44.5%)、46から50歳(42.7%)が続いた。同財団では「企業の中核を担う人が親の介護で離職を余儀なくされる可能性がある。企業が仕事と介護の両立できる仕組みづくりに本腰を入れる必要がある」と指摘している。