社会・経済ニュース
2014年04月01日号
総務省の労働力調査によると、人口の高齢化を背景に1991年以降、「職を持たず・職探しもしない」15歳以上の非労働力人口は増え続けてきたが、昨年に4506万人となり、22年ぶりにマイナスに転じたことが分かった。背景には、これまで非労働力だった女性や高齢者が労働力に加わってきていることが挙げられている。労働によって所得の増加で、個人消費が伸び、所得税や年金・医療・介護の保険料負担が増加し、経済の下支えや財政の改善にも寄与することになる。
農林水産省の試算によると、食品メーカーが賞味期限までの期間の3分の1を過ぎると小売店に納品せず、食べられるのに廃棄する習慣に基づく「食品ロス」は納品期限を延長することが実現すれば、年間4万トン削減できることが明らかになった。金額換算で87億円分に相当するとしている。同省は「企業に慣習の見直しを呼び掛け、食品ロスの削減につなげたい」としている。同省の推計では、2010年度に発生した食品廃棄物は1713万トンで、このうち食品ロスは500〜800万トンに上る。
共同通信社が実施した全国電話世論調査の結果によると、4月の消費税増税の日本経済の先行きに不安感について、「感じている」(29.8%)、「ある程度感じている」(46.7%)と回答し、76.5%の人が不安感を抱いていることが分かった。また、平成27年10月に消費税率を10%に引き上げることについて、65.9%の人が「反対」の意向を示した。
日本医療機能評価機構は2013年に大学病院などの全国の医療機関から報告のあった医療事故は3049件で、初めて3千件を超えたと発表した。最も多かった事故内容はリハビリ中の転倒や別途から移動中の転落などの「療養上の世話」に関する事故が1023件あった。次いで、体内へのガーゼの置き忘れなどの「治療・処置」に関する事故(718件)、薬の投与量の間違いなど「薬剤」に関る事故(205件)が続いた。
厚生労働省は2月の有効求人倍率が1.05倍となり、15カ月連続で改善したと発表した。また、同日、総務省は2月の完全失業率は前月比0.1ポイント低下の3.6%になり、2カ月ぶりに改善したと発表した。幅広い業種で企業の採用意欲が強く、就業者が増加している。新規求人数を産業別にみると、11業種のなかで、唯一減少したのは教育・学習支援業だけとなっている。
厚生労働省は2013年10月1日現在での特別養護老人ホームへの入所希望をする待機者数は52万1688人に上ると発表した。4年前の前回調査より約10万人増加しており、施設不足が深刻化している実態を浮き彫りにした。待機者の内訳をみると、在宅が25万7934人、病院など他の施設への入所が26万人3754人だった。待機者の介護の必要度別でみると、要介護4〜5が最多の41.9%を占めた。
警察庁のまとめによると、昨年、他人のIDやパスワードなどを悪用してコンピュータに侵入する不正アクセス事案の認知件数は過去最多の2951件に上り、前年の2倍超にもなることが分かった。ネットバンキングの不正送金事件が半数近い1325件に上った。逮捕された容疑者と被害者との関係では、元交際相手や元従業員などの顔見知り最も多く、年代別では10代が最多だった。
総務省消防庁の発表によると、2013年の全国の救急出動件数は591万5956件となり、4年連続で過去最多を更新するとともに、搬送人数も過去最多の534万2427人に上ることが分かった。全国の消防本部に増加理由(複数回答)を尋ねたところ、「高齢の傷病者の増加」が最多だった。全国的に救急出動件数が増加する中、青森・新潟・福井・高知の4県は減少した。