社会・経済ニュース
2014年04月29日号
経済産業省が大企業へのアンケートを基にした試算結果によると、法人税率を10%引き下げれば国内総生産(GDP)が7兆円増加し、税収も1.6兆円増える見通しとなることが明らかになった。アンケートでは10%法人税減税が行われた場合に売上高や投資額の何%を国内に戻すかを尋ねたところ、合計は売上高6兆円、設備投資1600億円、研究開発700億円となり、ここから経済波及効果と税収を算出している。
リクルートワークス研究所の2015年卒業予定の大学生・大学院生の求人動向調査によると、民間企業の求人数は68万2500人で、前年比25.6%増になることが分かった。求人を企業規模別にみると、従業員300人未満の中小業で37万9200人となり同44.5%増加しているのに対し、5000人以上の大企業は4万5800人と5.0%にとどまり、中小企業の求人が急増している。同研究所では「リーマン・ショック後に新卒採用を中断していた中小企業が人手不足で採用へと舵を切り始めた」と指摘している。
財務省は2013年度貿易統計で、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は13兆7488億円の赤字と発表した。3年連続での赤字で、過去最大を記録した2012年度の8兆1578億円を大幅に上回る。原発停止や円安で原油や液化天然ガス(LNG)の輸入額が大きく増大した。農林中金総合研究所では「輸出が急に増大する可能性は低いことから貿易赤字は今後2年程度続く」と予測している。
国土交通省と日本建設業連合会は、深刻な人手不足にある建設業で女性が就労しやすい環境を整えていくことで合意した。これを受けて同省では女性の技術者や技能労働者を5年以内に現在の2倍に当たる18万人の就労へ増やす目標を掲げ、夏ごろまで行動計画をまとめるとしている。建設業での就労女性の割合は他産業より低い約3%となっていて、国土交通相は「女性の感性が生かせる造園業だけでなく、土木など多くの業種で活躍して欲しい」と話す。
消費税増税に国民の理解を得るために4月末を期限に国会議員の歳費を20%削減されてきたが、衆院議員運営委員会理事会で削減継続の結論を出さず、事実上の打ち切りが決定し、5月からは本給に戻ることになった。これまでは20%削減の月額103万5200円だったものから月額129万4千円が5月から支給されることになる。議員定数削減も進まない中で国民から「お手盛り」の指摘が強まりそうだ。
政府の地震調査委員会の発表によると、相模湾から房総沖にかけた相模トラフ沿いでの地震発生確率は、マグニチュード(M)8級の地震が30年内に起こる確率はこれまでの2%を引き上げ5%とした。また、M7級の地震は10年以内に30%、30年で70%とする前回の評価を据え置いた。相模トラフでのM8級は引き上げられたが、中央防災会議が想定する南海トラフ巨大地震(M8〜9級)の30年以内発生確率は70%、首都直下型地震(M7級)の30年以内確率70%は相模トラフよりも高い。
国土交通省の2013年度分譲マンション総合調査によると、マンション世帯主の50.1%が60歳以上だったことが分かった。5年前の調査と比べ10.7ポイント上昇した。また、現在のマンションを「終の棲家」として「永住するつもりだ」と答えた人は52.4%になり、同省では「マンション居室に階段がないことや利便性が高い都市の中心部近くで、バリアフリー化が進んだ物件が増えている」ことがマンションに居住する高齢者像を分析している。
産業能率大が今年入社の新入社員を対象にした「理想の上司調査」によると、男性は俳優の堺雅人さん、女性は女優の天海祐希さんとなった。堺さんは前年55位からいきなりの首位となったが、同大では「堺さんの温和な印象とTVドラマ半沢直樹≠ェヒットした影響が大きい」としている。5年連続で1位となった天海さんには「態度や姿勢が手本になりそう」という評価が集まったとしている。