社会・経済ニュース
2014年06月03日号
日本の対外純資産残高、最高を更新
財務省は2013年末に政府や企業、投資家が海外に保有する資産から負債を差し引いた対外純資産残高は前年末比9.7%増の325兆70億円で、前年に続き、過去最高を更新したと発表した。対外資産は円相場が対ドルで2割ほど円安になったことで増加した。海外から日本への投資を含めた対外債務は472兆円(同29.1%増)だった。日本は23年連続で世界最大の債権国となり、2位の中国(207兆円)を引き離している。

パワハラが労働相談で最多に
厚生労働省が発表した2013年度の「個別労働紛争解決制度」の利用状況で、労働相談で最も多かったのはパワーハラスメントにあたる「いじめ・嫌がらせ」が5万9197件に上ることがわかった。前年度比14.6%の大幅な伸びで、2年連続最多となった。パワハラに次いで、「解雇」(同14.7%減)、「自己都合退職」(同11%増)が続いた。利用した労働者の内訳は、正社員が最多で、パート・アルバイト、期間契約社員が続いた。

消費税増税で24%が価格転嫁できず
中小企業庁が行った消費税増税での価格転嫁に関して中小企業を対象にした調査で、消費者向け取引で24.3%の事業者が「一部または全く転嫁できていない」と答えていることが分かった。転嫁できない理由として、「消費者の財布のひもが依然固いため」としている。一方、事業者同士の取引での転嫁状況では16.9%の事業者が「一部または全く転嫁できていない」と答え、中には増税分を減額するよう求められた例もあった。

16道府県が出生率・数の目標を設定
共同通信のまとめによると、16道府県が少子化対策として合計特殊出生率や出生数の数値目標を独自に設定していることが分かった。目標設定では、出生率と出生数の双方の数値目標を掲げるパターン、出生率のみを掲げるパターン、数値目標を掲げずに数値の上昇を目指すとの表現するパターンに分類され、いずれの自治体も少子化への危機感がある。政府は「個人への押しつけ」との反発を懸念し、出生にかかる数値目標を設定することを見送っている。

84%が「脱原発」を志向
時事通信の世論調査によると、国内原発について、「徐々に減らし将来的にはなくすべき」(49.3%)、「なるべく早くなくすべき」(24.7%)、「直ちになくすべき」(10.3%)とした、「脱原発」を志向している人は84.3%に上ることがわかった。政府では、原発を「重要なベース電源」と位置付けており、国民との大きな乖離がみられる。また、原子力規制委員会が安全審査で合格した原発の再稼働については反対が48.7%、反対が41.3%だった。

有効求人倍率、7年9か月ぶりの高水準
厚生労働省は4月の有効求人倍率が1.08倍となり、17カ月連続で改善したと発表した。2006年7月以来7年9か月ぶりの高い水準で、企業経営者が景気回復を受け、雇用に積極的な姿勢にあることを裏付けている。とくに、4月に受け付けた新規求人数は前年同月比10.0%と2ケタの伸びとなっており、業種でみると、製造業(同23.2%増)やサービス業(15.2%増)が好調だった。同省では「人手不足感は強まっている」とみている。

夏の賞与、伸び率でバブル期を上回る
経団連が大手企業の夏の賞与・一時金(ボーナス)の集計によると、組合員平均の妥結額は88万9046円で、昨年夏比で8.80%の伸びとなったことが分かった。伸び率でみると、バブル期の1990年(8.36%)を上回り、過去最高となる。政府が異例の賃上げを要請したのに加え、大幅な業績改善を背景に社員への還元を大手企業が強めたことがうかがえる。

朝食、「毎日家族と一緒」は5割を切る
政府が閣議決定した「2013年度版食育白書」によると、「朝食を家族とほとんど毎日一緒に食べる」と答えた人は初めて5割を割り込む48.2%だったことが明らかになった。また、「夕食を家族でほとんど毎日一緒に」も前年度から3.9ポイント減少の56.2%で過去最低となった。内閣府は「家族の生活様式が多様化している結果ではないか」とみている。