社会・経済ニュース
2014年07月08日号
国税庁が発表した本年1月1日現在の路線価によると、対前年の平均変動率はマイナス0.7%となることが分かった。6年連続での下落となったが、下落幅は前年(マイナス1.8%)より1.1ポイント改善している。とくに、金融緩和策を背景に都市部を中心に不動産投資が活発な東京、愛知、大阪の都市部では6年ぶりに上昇に転じた。都道府県でみると、東日本大震災被災の宮城県が2.4%上昇で上昇率全国1位となり、復興需要を浮き彫りにした。
男女協同参画会議専門調査委員会の報告書によると、労働者に占める女性の割合で、働く人(46.7%)・管理職(21.8%)・起業家(18.2%)の3部門のいずれでも、女性の割合が全都道府県の中で高知県が最も高く、首位を独占したことが明らかになった。同県の担当者は首位独占について「共働き世帯が多く、女性が働くことへの寛容な雰囲気にある。中小企業が多い中、社員数が少ないため女性の管理職が多いのでは」とみている。
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の発表によると、2013年度の運用収益額は10兆2207億円の黒字となり、運用利回りは8.64%になったことが分かった。過去最高だった前年度に次ぐ高水準に達した背景には、国内の株高の進展に加え、円安による外貨建て株式や債券の評価額が膨らんだことが挙げられる。安倍政権は日本経済の下支え効果への期待から積立金の運用について株式投資を増加させる方針を示している。
損害保険料率算出機構の発表によると、火災保険料を設定する際の基礎となる「参考純率」を平均3.5%引き上げることが明らかになった。参考純率の引き上げは9年ぶりで、これを受けて損保各社が保険料を検討のうえ設定し、2015年度中に火災保険料を引き上げることになる。この7月に住宅向け地震保険料が全国平均で15.5%引き上げられたばかりで、この10月には自動車保険料の引き上げも予定され、一段と家計負担が増すことになる。
全国銀行協会は増え続けるインターネット不正送金で被害を受けた中小・零細企業に被害補償の指針について大筋合意した。合意した指針内容では、被害補償をするにあたって、企業に求める「6条件」を掲げている。使い捨てパスワードなど銀行が導入している対策の実施、基本ソフト(OS)やその他のソフトの最新版への更新、ネットバンキングの利用パスワードの定期的な変更などを企業に求めている。
2012年度の生活保護の不正受給件数は約4万2千件に達し、2009年度の2倍以上となっていることが明らかになった。不正受給の内訳では「働いて得た収入の無申告・過少申告」が6割を占めている。7月1日から施行された改正生活保護法では、不正防止対策として、罰金の上限が30万円から100万円に引き上げられ、不正分の返還金にペナルティを加算できるようになった。
日銀の企業短期経済観測調査の業種別計数での販売価格判断指数(DI)が小売りでプラス10、宿泊・飲食サービスでプラス11と高い水準となっている。人手不足で賃金コストが上昇した分を販売価格に転嫁している実情を浮き彫りにしている。2004年の集計開始以降で、小売りやサービスで「人手が不足している」と回答する比率が最も高くなっている。
国土交通省が全国の求職者・大学生を対象にしたアンケート調査によると、58.8%がバス運転手に「魅力のある職業ではない」と答えていることが分かった。理由の最多は「事故に遭遇する可能性がある」を挙げ、「労働時間が長いイメージ」が続いた。バス運転に必要な大型2種免許の保有者は10年前と比べ、16万7千人減少の100万8千人ほどで、運転手の先細りがみられる。