社会・経済ニュース
2014年08月05日号
人事院は民間企業のベースアップなどの賃金水準が改善していることを受け、2014年度の国家公務員一般職の給与引き上げを内閣と国会に勧告する方針を固めた。人事院では、2008年からは給与・ボーナスともに引き下げまたは据え置き勧告を続けてきたが、7年ぶりの引き上げ改定勧告をする。また、今回の勧告では、55歳以上の職員の給与抑制も盛り込むとしている。
厚生労働省が公表した簡易生命表によると、2013年の日本人男性の平均寿命が80.21歳となり、初めて80歳台入りしたことが分かった。女性の平均寿命は86.61歳でとなり、男女ともに過去最高を更新した。同省では「主要な死因である、がん・心疾患・脳血管疾患と肺炎による死亡状況が改善していることが要因」と指摘している。男性寿命は前年比0.27歳延び、女性0.20歳の延びを上回った。
経済産業省の報告書によると、中小・零細企業で親族に後継者が見つからないため、全体の4割で、親族以外の第三者が事業を引き継いでいる実態が明らかになった。同報告書によると、1990年頃までは親族に引き継ぐ企業は9割だったが、最近10年では6割となるなど、累年、親族以外の従業員の事業引き継ぎやM&A(合併・買収)による第三者引き継ぎが増してきている。
日本たばこ産業(JT)が行った「喫煙に関する調査」結果で、2014年の喫煙者率は19.7%となり、調査開始の1965年以降で初めて20%を割り込んだ。4月からの消費税率引き上げに伴っての値上げに加え、健康志向の高まりで喫煙者が減少している実態が浮き彫りとなった。男女別に喫煙者率を見ると、男性が30.3%、女性が9.8%となっている。ちなみに、喫煙者率が最高だったのは1966年の49.4%だった。
政府与党税制調査会が消費税率10%への引き上げ時に導入するとしている軽減税率制度の賛否を43団体から聞いたヒアリングの結果、法人会などの21団体が反対を表明し、賛成の15団体を上回ったことが明らかになった。賛否を明確にしなかったのは7団体だった。反対を表明した中小企業団体や税理士会などは、事務負担の増大・煩雑に加え、軽減税率適用範囲の線引きの困難さを指摘した。
総務省の住宅・土地統計調査によると、昨年10月時点での全国の空き家数は過去最高の820万戸に達し、住宅総数に占める割合も13.5%に上ることが分かった。最高を更新した背景には、国民の新築住宅志向や国が住宅産業の振興を推進したことで、1968年以降、住宅総数が総世帯数を上回る供給過剰が続いたことが挙げられる。今後、人口減少の進展とともに一段と空き家が増加する可能性が高く、防犯・防災面からの対応も迫られている。
三井住友信託銀行の試算で、来年1月からの相続税の基礎控除縮小で、これまで課税対象とされてきた630万世帯から1220万世帯まで拡大することが分かった。全国消費実態調査を基に試算したもので、不動産価格の高い都市部での世帯がとくに多いとしている。相続増税では、基礎控除が4割縮小し、夫の死亡で妻と子供2人での相続ケースでは、これまで夫の保有財産8000万円超にならないと課税されなかったが、4800万円超だと課税される。
名古屋工業大学大学院の研究グループのまとめで、75歳以上の高齢者は体温を感知する機能が衰え、発汗しにくくなり、熱が体にこもり、体温が上昇しやすくなることが分かった。体温は、皮膚や内臓、骨にある温度を感知する器官からの情報が脳に伝達され、汗を出すよう指示するが、高齢者は温度感知の機能が低下して、発汗しにくくなり、実験では20代の3倍以上の体温上昇となった。高齢者の熱中症になりやすいメカニズムをデータが裏付けた。