社会・経済ニュース
2014年08月12日号
日本貿易振興機構の発表によると、2013年の日本の対外直接投資は前年比10.4%増の1350億ドル(約13兆8千億円)になり、5年ぶりに過去最高を更新したことが分かった。中国向け投資は同32.5%減の91億ドルだったのに対して、東南アジア諸国連合(ASEAN)向けが同220%増の236億ドルに急増した。背景には、日中関係の悪化や中国での人件費上昇や景気減速を避け、活路をASEANに向ける日本企業の姿勢が伺える。
東京商工リサーチが発表した今年上半期(1〜6月)での倒産件数は5073件となり、倒産理由の67.8%を「販売不振」が占めたことが分かった。依然として、販売環境の厳しさを浮き彫りにした。また、同社では「好況期に増加傾向がみられる放漫経営≠ェ増えている」と指摘した。経営者の判断ミスや会社の私物化といった、経営者の資質や能力に起因する「放漫経営」での倒産は前年同期から5.2%増えている。
日本政策投資銀行が資本金10億円超の大会社を対象にした2014年度設備投資計画調査で、前年度実績比15.1%増の見通しにあることが分かった。3年連続での増加見通しで、17%増を計画した1990年度のバブル期を24年ぶりに上回る大幅な伸び率となっている。製造業は同18.5%増の6兆3226億円、非製造業は同13.2%増の11兆3875億円となっており、前向きな設備等の姿勢を浮き彫りにしている。
農林水産省の発表によると、2013年度のカロリーベースでの食料自給率は4年連続で39%にとどまっていることが分かった。米国やドイツなどの先進国の中で、日本の自給率は最低水準にある。同省は2020年度に自給率を50%にする目標を掲げていたが達成困難な実情で、絶望的とみられる。品目別の自給率では、コメ(97%)、野菜(76%)、魚介類(64%)が高いが、小麦(12%)、牛や豚の畜産物(16%)、大豆(23%)が低くなっている。
日本生産性本部の「レジャー白書」によると、2013年の余暇市場は前年比0.8%増の65兆2160億円に達し、11年ぶりに前年実績を上回ったことが分かった。とくに、テーマパークや遊園地の市場規模は同10.5%増の7240億円となり、過去最高を記録し、活況を呈している。他方、パチンコ参加人口は970万人で初めて1千万人を割り込むという対比がみられた。
厚生労働省のまとめによると、全国の児童相談所が昨年度対応した児童虐待件数は73,765件に上り、23年連続で過去最多を更新するとともに、初めて7万件台を突破したことが分かった。増加要因について同省は、「昨年8月から通告のあった子のきょうだい≠煌m認するようにしたことや、家庭内で母親へのDV(ドメスティックバイオレンス)を見て子どもが心に傷を負うことの間接虐待についての警察からの通告が増えている」と分析している。
厚生労働省の発表によると、今年1〜6月の労災事故で死亡した労働者数は437人に上り、前年同期比19.4%増加したことが分かった。また、労災死を含む死傷した労働者数は同3.6%増の約4万7千人に上っている。労災死傷者数増加の背景について、同省は「景気回復で企業活動が活発化している状況の中で、人手不足解消のために現場経験の浅い労働者が増えて、死傷事故につながっている」と分析している。
文部科学省の学校基本調査によると、2013年度に年間30日以上欠席した「不登校」の小中生は11万9617人に上ることが分かった。小中生の不登校者数は2008年度以降減少してきていたが、ここにきて増加に転じた。とくに、中学生の不登校は9万5千人を超え、中学生の37人に1人が不登校という実態にある。同省では不登校が増加に転じた理由についての見解は示していないが、同時調査した問題行動調査の結果を分析するとしている。