社会・経済ニュース
2014年09月09日号
本年度成長率、民間予測は0.48%
日本経済研究センターは民間エコノミスト約40人の実質国内総生産(GDP)予測は平均で前年度比0.48%増となると発表した。政府見通しの1.2%増とは大きな開きがみられた背景には、4月の消費税増税後の需要の反動減が長引き、景気回復が遅れるとの見方が民間エコノミストにある。成長率の低迷は経済成長の推移を見極めて判断するとしている消費税再増税にも影響を与えかねない。

8月の新車販売、増税後、最大の落ち込み
日本自動車販売協会連合会と軽自動車協会連合会の発表によると、8月の国内新車販売台数(軽自動車含む)は33万3471台となったことが分かった。前年同月比9.1%の減少で、消費税増税後では最大の落ち込みとなり、依然、買い控えが続いていることを裏付けた。軽自動車は同15.1%減の12万6865台、軽を除く自動車は同5%減の20万6606台だった。

国債利率、過去最低水準に
財務省は先週行った10年物国債の入札で額面に対する利息の割合を示す表面利率を9月発行分は8月から0.1%引き下げた0.5%とした。国債利率は11年3か月ぶりに過去最低水準に並んだ。10年物国債は長期金利の指標となっていて、住宅ローンなどの借入金金利も低下し、国にとっても国債利払い費が減少する。ただ、わが国財政の先行き不安が広がることになれば、国債が売られ、金利が上昇しかねない側面もある。

西日本の8月降水量、史上最多
気象庁が発表した8月の全国の天候まとめによると、西日本の月降水量は平年の2.74倍となり、統計を開始した1964年以降で最も多いことが分かった。日照時間も西日本の太平洋側は史上最小の平年比54%となり、日本海側も過去2番目の同42%だった。太平洋高気圧の張り出しが弱かったことに加え、偏西風の蛇行によって前線の停滞が影響したとしている。

不正送金被害、半年で18億円超に
警察庁の集計によると、インターネットバンキング利用者のIDやパスワードが盗まれて、預金が不正に別口座へ送金される被害額が今年1〜6月まで約18億5200万円に達し、昨年1年間の被害額約14億円を上回ったことが分かった。とくに、法人口座の被害が昨年の5.9倍(被害額約5億7200万円)と急増し、このうち地方銀行の法人口座が9割以上を占めた。

世界の糖尿病人口、10年で倍増
国際糖尿病連合(IDF)の発表によると、2013年の世界の糖尿病人口(20〜79歳)は3億8200万人に達し、10年前の1億9400万人から倍増している実態が明らかになった。国別に糖尿病人口をみると、最も多かったのは中国の9840万人で、インド、米国が続いた。日本は10位(720万人)となっている。2035年には5億9200万人に達する見込みで深刻化が危惧されている。

現金給与総額、約10年ぶりに2%台増加
厚生労働省は7月の毎月勤労統計調査で1人当たりの全ての給与を合わせた現金給与総額が36万9846円になったと発表した。前年同月比2.6%の増加で、2%台での増加は9年8か月ぶりとなる。同省では「夏のボーナスが7.1%増(10万7517円)となったことで全体を押し上げた」とみている。一般労働者の残業代など所定外給与は3.3%増となり、16か月連続の増加で人手不足感がみられる。

単身高齢者の半数が「介護の準備なし」
第一生命経済研究所が要介護認定を受けていない65〜72歳の単身男女を対象に行った意識調査結果によると、自分の介護を見越した準備を「特にしていない」が最多の48%に上ることが分かった。他方、準備している人の具体的内容は、「預貯金」(31%)、「介護保険制度の情報収集」(22%)、「介護施設の見学」(17%)だった。同研究所は「介護に必要なお金を計算したり、親族に希望を伝えたりする備えが大事」と指摘している。