社会・経済ニュース
2014年10月07日号
厚生労働省は、有給休暇取得率が47%と低い実態を鑑み、社員の希望を踏まえ企業が数日分の有休取得日を指定する仕組みを中小企業も含めた全企業に義務付ける検討を開始した。同省では来年1月の通常国会に労働基準法改正案に盛り込み、2016年春からの施行を目指す考え。また、改正法案には、有休未消化の社員が多い企業には罰則も設けるとしている。
日本世論調査会が行った全国面接世論調査によると、来年10月予定の消費税率10%の再増税に対して、72.3%の人が反対していることが分かった。反対理由では「低所得者の負担が重くなり過ぎる」(49%)が最多で、「景気に悪影響を与える」(19%)が続き、賛成理由では「年金・医療などの社会保障制度を維持するため」(52%)が最多で、「若い世代につけを残すべきではない」(28%)が続いた。
日銀の生活意識アンケート調査によると、個人の現在の景況感を示す指数がマイナス20.4となり、6月の前回調査から10.4ポイント低下した。2四半期連続で悪化していることについて、日銀では「物価上昇に所得の改善が追いつかずに、家計負担の増加が景況感を冷やした」としている。物価動向についての質問で、現在の物価が消費増税の影響を除いて1年前に比べて「上がった」との回答は80.4%で、1年後の物価でも82.5%が「上がる」と予想している。
野村総合研究所の試算によると、2023年に定住者がいない住宅、いわゆる空き家数は約1400万戸となり、空き家率は21.0%となることが分かった。人口減少が本格的に進展する一方で、空きや撤去が進んでいかないことが背景にある。総務省のまとめでは、2013年の空き家数は820万戸で、10年後はその2倍にも達する状況にあり、同総研では「空き家の撤去促進や中古住宅市場の活性化といった対策強化」が求められていると指摘している。
日本経済新聞社が既婚女性を対象に4月の消費税増税以降の消費スタイルを聞いたところ、「節約する」(34%)、「一部節約する」(58%)とする節約志向は92%を占めていることが分かった。節約しているものを尋ねたところ(複数回答)、最多は「衣服」(81%)、「外食」(78%)、「ケーキなど菓子」(64%)が続いた。また、消費税増税以降で当てはまる消費行動を尋ねたところ(複数回答)、最多は「より安い店を利用する」(43%)だった。
厚生労働省の雇用動向調査での離職理由で「家族の介護」を挙げた2013年の離職者は9万3千人に上り、5年前と比べて2倍に達していることが分かった。男女別にみると、女性が76%で大半を占めており、女性の年代別にみると、40代後半が最多で、50代前半、50代後半が続いた。女性への介護負担が偏っている実態がうかがえる。男性での介護理由の離職で最多年代は50代後半だった。
政府が2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げる目標を掲げているのを受け、労働政策審議会は大企業に数値目標を設定・公表することを義務付ける方針を固め、今国会での成立を目指して「女性活躍促進法案」を提出する。企業の業種・規模で女性の登用にばらつきがあることに配慮し、一律の数値目標とはせずに、企業が実情に応じて独自に設定できるようにする。
厚生労働省の発表によると、介護を受けたり、寝たきりにならずに日常生活を送れる期間を示す「健康寿命」が2013年は男性が71.19歳、女性が74.21歳だった。健康寿命は3年前と比較すると、男女(男性:0.7歳以上、女性:0.5歳以上)ともに緩やかに延び続けている。平均寿命と健康寿命との年齢差の期間は介護等での医療費を要するだけに、健康寿命を延ばすことが重要で、政府は2020年までに健康寿命を1歳以上延ばすことを目標に掲げている。