社会・経済ニュース
2014年10月21日号
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、年金給付の原資を増やす狙いから、現在の低収益の国債中心の運用を改め、国内株式での運用比率の目安を12%から20%まで引き上げる方針を固めた。国内株での運用比率拡大とともに、外国株と外国債券の合計比率も23%から30%に高めるとしており、国債運用比率は40%台へと引き下げる方針である。株式投資運用で収益を増やしやすくなる半面、損失リスクも指摘されている。
内閣府が行った日本の将来像に関する世論調査によると、都市に住む人に地方に移住してもよいかと尋ねたところ、「地方移住もよい」とする人は39.7%だった。年代別に「地方移住もよい」は、20代で52.3%、30代で57.6%、40代で51.2%、50代以上では30%前後で、20〜40代といった比較的若い世代は地方移住に肯定的な意向を持っている。移住条件(複数回答)では、「教育、医療・福祉などの利便性が高い」(51.1%)が最多だった。
日本世論調査会が行った人口減少問題に関する面接世論調査によると、84%の人が「不安を感じている」と答え、本格的な人口減少社会の到来に国民の大半が不安を抱いている実態を浮き彫りにした。人口減少に不安を感じる理由(2つまで回答)では、「年金や医療などの社会保障制度が破たんする」(60%)が最多で、「働き手が少なくなり経済力が衰える」(48%)、「子どもや若者が減り社会の活力が失われる」(46%)が続いた。
文部科学省の問題行動調査によると、2013年度に全国の国公私立の小学校が把握した「いじめ」は11万8805件に上り、過去最多を更新したことが分かった。また、小学校での暴力行為も1万896件となり、初めて1万件を突破した。逆に、中学、高校での「いじめ」件数は減少している。小学校で「いじめ」「暴力行為」の増加の背景には、アンケートなどによる学校側での積極的な把握への取り組みがあったものとみられ、同省では「今後とも積極的に掘り起こすことが必要だ」と指摘している。
人材コンサルタントのヘイズ・グループが18〜30歳を対象にした起業に関する調査結果によると、58%の若者が「起業に関心がない」と答えていることが分かった。同社が調査した世界13か国で最も高く、起業意欲が希薄で安定志向が強い若者像を浮き彫りにした。また、2014年中小企業白書でも起業希望者数は約84万人で1997年〜半減している実態があり、同白書でも「看過し難く、早急な対策が求められる」と指摘している。
世界保健機構(WHO)はエボラ出血熱感染の拡大見通しについて、現在の1週間当たりの新たな感染者数の約1千人から、12月上旬には5千〜1万人になる恐れがあると発表した。感染拡大が加速していることが背景にあり、国連エボラ緊急対応支援団では「今食い止めなければ、対処計画もない未曾有の状況に直面することになる」と危機感を表明している。
国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の統合報告書最終案によると、現在のまま温室効果ガスの排出が続くと、今世紀末に世界の平均気温が最大で4.8度上昇することが分かった。IPCCは「人間活動が20世紀半ば以降の温暖化の主因が極めて高い」としたうえで、「人間社会や生態系に厳しく、取り戻せない悪影響が及ぶ可能性が増す」としている。
総務省が高校・高専の1年生を対象にした調査によると、所有するインターネット接続機器は「スマートフォン」が88.1%だったことが分かった。2年前の前回調査より3割近い上昇となった。一方、2年前には7割強あった「パソコン」保有率は52.2%まで低下した。高1生の1日当たりの平均スマホ利用時間は、平日で1時間〜2時間未満、休日は2時間〜3時間未満がそれぞれ最多だった。