社会・経済ニュース
2014年11月11日号
財務省の発表によると、4〜9月の税収は前年比9.7%増の14兆8710億円だった。4月からの消費税率の引き上げ影響が大きいが、消費税を除いたベースでも同6.1%増の11兆4985億円となっており、大企業を中心とした賃上げや配当の増加などで、所得税収が寄与している実態がある。民間調査機関では、2014年度の税収は当初予算に比べ、1兆8千億円増えると試算している。
厚生労働省は2014年夏季賞与の結果によると、従業員5人以上の事業所における今夏の賞与は37万550円だったと発表した。企業の業績改善を背景に、前年夏季賞与と比べ3.1%の増加で、1991年の6.3%増に次いで、高い伸び率となっている。産業別に伸び率をみると、不動産・物品賃貸業が11.8%増で最も高く、建設業(10.0%増)、製造業(10.5%増)、卸売業・小売業(5.6%増)、医療・福祉(3.2%増)が続いている。
会計検査院が首相に提出した2013年度決算の検査報告によると、税金の無駄遣いを指摘したのは595件で、指摘額は2831億円に上った。指摘のなかで、法令違反に当たる「不当事項」は402件、141億円だった。省庁別にみると、失業者に職業訓練を行う緊急人財育成・就職支援基金の剰余金752億円を指摘された厚生労働省の847億円が最多だった。消費税の再増税論議に衆目が集まる中、税の無駄遣い実態に国民の得心は遠い感がある。
経済財政諮問会議の下に置かれた有識者の専門委員会「選択する未来」がまとめた人口減少下での経済成長率に関する試算によると、現在のまま人口減少が進展し、労働力が減少し、生産性も低迷することであれば、2040年代に経済成長率はマイナス0%台に陥るとした。また、現在の出生率(1.43)が2030年に2.07まで回復すれば、人口1億人が維持され、成長率の下押し効果はマイナス0.3%にとどまるとの分析も示している。
金融広報中央委員会は「2014年家計の金融行動に関する世論調査結果」で、預金や有価証券といった金融資産の1世帯の平均保有額は1182万円だったと発表した。前年より81万円多く、4年ぶりに増加に転じた。金融資産を持っている世帯割合は前年よりわずかに増加の69.6%で、これら世帯だけで見た平均保有額は1753万円で調査開始の1963年以降で最高額となった。
厚生労働省の発表によると、2011年3月卒業者で就職後3年以内に仕事を辞めた人の割合は32.4%となっていることが分かった。業種別では、宿泊・飲食サービス業が52.3%と最も高く、生活関連サービス・娯楽業(48.6%)が続き、サービス業関連での離職率の高さが目立った。企業規模別では、従業員1千以上で22.8%だったのに対して、同5人未満で60.4%だった。厳しい雇用環境だった2011年卒者の不本意な就職が多かったことから早期退職の増加になったとみられる。
横浜銀行と東日本銀行、そして肥後銀行と鹿児島銀行といったように、相次いで地銀の経営統合による再編が進んでいる。その背景には、将来の人口減少により、相続によって預金が地方から都市部へと移転する動きが本格化するという銀行の危機感がある。野村資本市場研究所での推計では2010〜20年までの10年間で相続によって個人金融資産が地域ごとにどう増減シフトするかという推計したところ、15県で10%以上も預金が減るとしている。
厚生労働省のまとめによると、共働き家庭の小学生を放課後に預かる児童館などの学童保育受け入れ施設は今年5月時点で過去最多となる2万2084か所に達していることが分かった。利用登録している児童数も93万6452人も過去最多。しかし、定員オーバーで希望しても利用できない「待機児童数」も9945人に上っている。同省では、「女性の就労が進展していて、需要に追い付いていない状態にあり、施設整備を自治体に促す」としている。