社会・経済ニュース
2015年01月06日号
厚生労働省の人口動態統計の年間推計によると、出生数が死亡数を下回る「自然減」は過去最大の26万8千人になったことが分かった。人口の自然減は8年連続となった。同省では「20〜30代女性の人口が減っており、今後も出生数の減少が見込まれる一方、高齢化も進展しており、人口減の傾向は続く」と分析している。また、婚姻件数も戦後最少を更新する4万9千組となった。
経済産業省の特定サービス産業動態統計調査によると、2014年1〜10月のクレジットカード取扱高が前年同期比10.5%増の約34兆7450億円となり、過去最高を更新したことが分かった。昨年4月の消費税増税で消費者の生活防衛意識の高まりを背景に、個人がカード利用を通じて得られるポイントで増税負担を緩和しようとする動きがカード取扱高を押し上げたものとみられる。
昨年12月30日大納会での東京株式市場の日経平均株価終値が1万7450円となり、年末の株価としては1999年以来の高値となった。1年間で1159円46銭の上昇で、3年連続で前年末の終わりを上回った。株高の背景にはアベノミクスへの期待や公的年金による株式購入割合の引上げに加え、日銀の大規模な金融緩和などにより円安ドル高が進展し、輸出関連銘柄での業績拡大予測がある。市場専門家は「株価は来年も上昇する」との見方が強い。
労働政策研究・研修機構が全国の20〜65歳の男女8千人を対象にした調査で、働く人の中で「気分が落ち込んだ」「やる気が出ない」といった精神的な不調を感じた人のうち、最終的に退職した人は13.3%になっていることが分かった。派遣社員や契約社員は正社員よりも高く、同機構では「派遣社員などは正社員と違い、休職制度などが整備されておらず、退職せざるを得ないのが実情で、働き続けられる環境を整える必要がある」と指摘している。
帝国データバンクの調べによると、上場企業の倒産が2014年はゼロとなった。24年ぶりでのゼロ倒産となった背景には、保有株式の株価上昇で手元資金が厚くなり、資金繰りが安定したのに加え、銀行の貸し出し姿勢が好転したことが寄与している。直近での上場企業の倒産は2013年8月にあった以後は16か月連続でゼロ倒産となった。また、同社まとめの中小企業倒産も2014年1〜11月までの期間、前年同期比で約1割減の約8500件となっており、減少傾向にある。
全国銀行協会のまとめによると、2014年1〜11月のインターネットバンキングを悪用した不正送金の被害は個人と法人を合わせ1257件に上り、被害額は18億5500万円になったことが分かった。前年の通年被害(661件、8億1000万円)を大きく上回り、過去最悪となることが明らかになった。不正送金の手口も、従来の主流だった偽サイトに誘導してIDやパスワードを入力させるものから、最近はウィルス感染させた利用者のパソコンを遠隔操作する手口へと変化してきている。
日銀の発表によると、企業や家庭などで手元に保有されたまま年を越すお札の総額は前年末から3.3%増加し、93兆817億円になった。5年連続で過去最高を更新した背景には、企業業績の回復に伴い賃金・雇用情勢も改善した結果、経済活動が活発化し、手元にお札を残して日時様的に使う傾向が強まっていることがなる。加えて、日銀の大規模な金融緩和による超低金利が定着して銀行預けよりも「タンス預金」を増やす傾向が強まっている。
宝酒造が20〜60代の日本に住む外国人を対象にした調査結果によると、週に2〜3回日常的に「和食を食べる」と答えた割合は77%に上ったことが分かった。好きな和食を聞いたところ(複数回答)、「焼き魚・煮魚」(60%)が最多で、「うどん・そば・そうめん」(58%)、「天ぷら」(55%)、「煮物」「刺身」(52%)が続いた。同社では「予想以上に日本の食文化が浸透している」と分析している。