社会・経済ニュース
2015年01月20日号
閣議決定された2015年度政府予算案の総額は96兆3420億円となり、過去最多大規模となった。歳入では、税収が4.5兆円増加の54.5兆円と、24年ぶりの高水準となる。また、借金となる新規国債発行額は36.8兆円となり、前年度より4兆円以上圧縮している。基礎的財政収支の赤字額は13.4兆円となるが、政府が目標としてきた2015年度に赤字を半減することは達成できる見通しにある。
厚生労働省の調べによると、高齢化がピークを迎える2025年度時点で必要とされる介護に携わる職員は約250万人だが、推計では2025年度の職員数は約220万人程度で30万人が不足する見通しにあることが分かった。介護職員は労力の割に低賃金であることから慢性的な人手不足おちいっており、同省では2015年度から職員の賃上げや介護未体験者の活用といった対策を強化するとしている。
内閣府の日本経済の動向を分析したリーポートによると、昨年4月の消費税増税で働く人の実質的な賃金が減少したことで、4−9月に1兆円弱の消費が抑制されたとの試算が明らかにされた。商品やサービスの価格上昇で消費に振り向けられるお金が減り、買い物を手控えた格好だ。試算は、消費税増税がなかった場合に想定される消費の規模を差し引いたもので、個人消費の対GDPの0.3%が失われたことになる。
ハローワークを通じて職に就いた昨年7〜9月期の就職者数は50.5万人となり、2四半期連続で減少していることが明らかになった。一方、有効求人倍率は昨年11月時点で22年ぶりに高い1.12倍になっている。就職者数減少と高い求人倍率の背景には、企業が欲しい人材と求職者の希望した仕事が見つからないというミスマッチ実態がある。就職者数減少は10月以降も続いており、総務省統計局では「希望した仕事が見つからず仕事探しを止める人も増えている」と指摘している。
石油輸出国機構(OPEC)は原油の供給過剰は1−3月期がピーとなるとの見通しを発表した。昨年11月にOPEC総会で日量3000万バーレルの供給する方針を出して以来、原油価格相場の下落が続いてきているが、今後原油需要が北米やアジアでの需要増加見込まれるとともに、非OPECの原油供給の伸びが鈍化するとして、3000万バーレル近くまで需要回復すると予測した。
日本赤十字社がこれまでの輸血用血液製剤の供給本数や延べ献血者数、さらに将来推計人口なども加味して推計した献血者数の不足を推計したところ、血液の必要量がピークを迎える2027年には献血者数は最大で85万人分不足する見通しにあることが分かった。必要な献血者数が年々減少していくと推計されており、とくに10代から30代の若年者の献血率の低さが指摘されている。日赤では「若年層を中心に献血への協力を訴えて、将来の血液不足に備える」としている。
国土交通省の推計によると、洪水・地震・液状化・津波のいずれで大きな被害を受ける危険のある地域に住んでいる人口は9442万人に上り、日本の人口の73.7%を占めていることが分かった。危険区域は国土面積の34.8%で、人口と対比すると災害が起きやすい場所に居住が集中している。推計は今夏に閣議決定する国土形成計画の策定に反映し、安全な場所に居住するよう促すよう国土審議会で議論している。
米航空宇宙局(NASA)と米海洋大気局(NOAA)の発表によると、2014年の世界平均気温は14.59度でこれまで最高だった2005年・2000年の14.55度を上回り、観測記録が残る1980年以降で最も高かったことが分かった。この134年間で最も暑かった年の上位10位のうち、1998年を除いてすべて2000年以降が占め、長期的な地球温暖化状態にあることを浮き彫りした。