社会・経済ニュース
2015年02月03日号
国の債務超過、過去最大の490兆円
財務省が公表した2013年度末時点での国の「貸借対照表」によると、負債が資産を上回る債務超過状態にあり、その超過額は過去最大の490.4兆円となったことが分かった。債務超過額は、社会保障などの財源不足を穴埋めする国債発行で賄っている厳しい状況を背景に増え続け、前年比13.4兆円増加し、10年前との比較では2倍にも達している。一方、資産は前年比12.5兆円増加の652.7兆円となっている。

サービス残業、月平均16時間超に
連合の調査によると、残業代が支払われない、いわゆるサービス残業は1カ月当たり平均16.7時間だったことが分かった。20〜50代の男女を対象にした調査で、約6割の人が「月10時間未満」だったが、「60時間以上」と答えた人も5%いた。また、有給休暇の消化状況では、「全て消化」が11.6%にとどまったのに対して、「消化していない」は39.6%で最も多かった。

住宅着工、100万戸割れ続く
国土交通省のまとめによると、2014年に着工された持ち家と貸家、マンションなどの分譲住宅を含めた住宅着工数は89万2千戸程度となり、5年ぶりに前年を割り込んだことが分かった。昨春の消費税増税が響き、とくに持家の減少率は約20%減少し1997年以来の大きな落ち込みとなった。2009年以降、住宅着工は100万戸割れが続いており、依然回復の兆しがみえていない。

NISAでの投資額、1年間で1.4兆円に
日本証券業協会の発表によると、2014年1月からスタートした少額投資非課税制度(NISA)を通じた株式や投資信託への投資額は昨年1年間で1兆4189億円だったことが分かった。加盟する主要証券会社10社での昨年末の総口座数は406万口座で、このうち実際に投資した稼働口座数は全体の45%にあたる183万口座にとどまった。1口座当たりの平均投資額は約77万円で、同協会では「事前想定よりも低い水準にとどまった」としている。

特殊詐欺被害額、初の500億円超え
警察庁のまとめによると、2014年に全国の警察が把握した振り込め詐欺などの「特殊詐欺」は約559億4千万円に上り、年間被害額として初めて500億円を超えたことが分かった。被害者全体に占める65歳以上の割合は2011年の62.7%から昨年は78.8%に増えており、一段と高齢者が狙われている傾向にある。特殊詐欺の被害で目立つのは宅配便やレターパックで現金を送らせる現金送付型で、被害額の4割近くを占めている。

出版物売上高、過去最大の落ち込みに
出版科学研究所の調査によると、2014年の書籍と雑誌を合わせた紙の出版物の推定販売額は前年比4.5%減の1兆6065億円だったことが分かった。10年連続で前年割れを続け、昨年は過去最大の落ち込みとなった。同研究所では、昨年4月の消費税増税で購買意欲が冷え込んだことが最大の要因と指摘している。他方、電子書籍の売り上げは、インプレス社のまとめによると、前年度比31.9%増の1013億円と急増している。

スーパー売上高、18年連続マイナスに
日本チェーンストア協会の発表によると、2014年の全国スーパーの売上高は前年比0.6%減となり、18年連続で減少したことが分かった。昨春の消費税増税後に落ち込んだ売上高は夏に同0.1%減まで持ち直したものの、秋以降再び落ち込んだ。同協会では「増税での家計への圧迫感が強まり、消費者の節約志向でさらに回復力が鈍かった」と分析している。

体罰で処分を受けた教員は過去最多に
文部科学省のまとめによると、2013年度に児童生徒への体罰で処分を受けた教員は過去最多となる3953人に上ることが分かった。体罰を受けた児童生徒の内訳では、中学生が最多の2968人で、高校生(2968人)、小学生(1892人)が続いた。体罰の内容では「素手で殴る」(58%)が最も多かった。また、わいせつ行為による処分教員は過去最多の205人に上った。一方、うつ病などの精神疾患で求職した教員は5078人で、依然高止まり状態にある。