社会・経済ニュース
2015年02月10日号
厚生労働省が労働政策審議会に示した「働き方改革」報告書案によると、2016年4月から管理職を含む全ての社員に年5日分の有給休暇を取らせることを義務づけることが明らかになった。また、報告書では2019年4月から、中小企業で月60時間を超える残業には現在の25%増しから50%増しの賃金を払うとする引き上げが盛り込まれた。いずれも働き過ぎの抑制を狙いとしている。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2014年の働く1人当たりの給与総額(月平均)は前年比0.8%増の31万6694円と増額になったものの、物価上昇で実質賃金は2.5%減少したことが分かった。実質賃金の減少幅は、過去最高となった2009年の2.6%減に次ぐ過去2番目の大きさとなった。実質賃金の減少は一段の個人消費の抑制要因ともなり、景気回復の足かせともなる。
総務省の2014年の人口移動報告によると、東京圏(東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県)の転入者が転出者を上回る転入超過は10万9408人に上ったことが明らかになった。三大都市圏の名古屋圏と大阪圏は転出が転入を上回る転出超過となったのをはじめ、転出超過は40道府県に上り、東京圏一極集中傾向が鮮明となった。政府は人口減少対策5か年計画で地方の人口流出に歯止めをかけ、東京圏の転出・転入を均衡させるとしている。
国土交通省は国や自治体が公共工事の費用を算定する基準となる建設作業員の基準賃金、いわゆる「労務単価」を全国平均で4.2%引上げることを決定した。昨年の引上げ率7.1%より下回ったものの、引き上げは4年連続となった。労務単価は、改定により1人1日8時間労働で1万6678円となった。ただ、東日本大震災での復興事業の入札不調で復興遅れが指摘されている被災地3県の労務単価は平均6.3%の引上げとなった。
SMBC証券のまとめによると、2015年3月期の東証1部上場企業の純利益予想は前期比7.7%増の15兆4640億円となり、2年連続で、過去最高を更新することが分かった。自動車や電機の製造業は円安により上方修正を行うなど大幅な増益となっている。一方、小売りやサービスは個人消費の回復の遅れから減益見通しとなり、石油・石炭製品では原油安で石油備蓄の評価額の引き下げから赤字転落見通しとなっている。
総務省は7月から消費者相談窓口を「188」、児童相談窓口を「189」の3桁の電話番号を割り当てる方針を固めた。3桁番号では海上での事故などの緊急通報で割り当てられた「118」以降で15年ぶりとなる。今回新たに割り当てられる188は消費者ホットライン、189は児童相談所全国共通ダイヤルとして、それぞれ消費者庁と厚生労働省が運用し、最寄りの地方自治体の消費生活センター、児童相談所につながることになる。
総務省の2014年12月の家計調査によると、1世帯当たりの消費支出は前年同月比3.4%減の33万2363円となり、昨年4月の消費税増税後9カ月連続で前年を割り込んでいることが分かった。9か月連続でのマイナスは東日本大震災直後の2011年3〜11月での減少した機関に並んだ。増税後の駆け込み需要の反動減からの回復遅れや天候不順での外出控えが響いたとみられる。
田中貴金属工業の調査によると、家庭に保管されていて使われていない金の指輪やネックレスなどの貴金属の宝飾品の総額は約3兆円に上ることが分かった。20〜60代の女性を対象にした調査で、使っていない金・銀・プラチナ製品を持っている女性は82%おり、保有数は推定2億6700万個で、金額換算で2兆9500億円に上った。内訳では、金のネックレスが1兆円超で、プラチナのネックレス、金の指輪が続いた。