社会・経済ニュース
2015年03月03日号
国土交通省の1月1日時点での地価動向報告によると、全国の主要都市の商業地(106地点)と住宅地(44地点)を合わせた150地点のうち、125地点で地価が上昇し、過去最多を更新したことが分かった。同省によると、金融緩和を背景に三大都市圏の商業地を中心に国内外からの投資が活発化したのに加え、住宅地も駅近辺などのマンション分譲が好調で地価上昇傾向にあるとしている。
英「耐性菌に関する調査チーム」は抗生物質などの薬剤が効かない耐性菌の増殖によって、2050年には世界で年間1千万人が死亡すると予測した。抗生物質の使い過ぎが背景にあるものとされ、現在の耐性菌死亡者(年間推定70万人)の14倍以上に達するとし、効果的な措置を講ずるよう指摘している。2050年の薬剤耐性菌増殖での死亡予測では、アジアが最多の473万人、アフリカの415万人、南米の39万人などとなっている。
財務省の試算によると、10年後の2024年の国債の利払い費は2015年度の2.4倍の24兆6300億円になると公表した。増加要因は日銀の金融緩和で低く抑えられている金利が上昇に転じるとみているためで、試算では、利払い費の増加も考慮し、2023年度の国の公債残高は1千兆円(2015年度末797兆円)を突破するものと見込んでいる。
ネット上で各自治体のふるさと納税での特典を紹介しているトラストバンクのホームページでアクセス数が多かった自治体に問い合わせて集計したトップ10によると、昨年にふるさと納税が最も多かったのは、長崎県平戸市の12億7884万円だった。トップ10には、東日本では2市町がランクインするだけで、残りは西日本という「西高東低」だった。とくに肉類や魚介類などの特典特産品が目立っている。
公益財団法人総合研究開発機構の提言によると、2017年4月に消費税率を10%に引き上げた後に、国と地方の基礎的財政収支を2020年度に黒字化達成を掲げる政府目標を実現するためには、さらに2%前後の引上げが必要だとした。併せて、都道府県間でバラツキのある1人当たりの医療費を全国最低レベルに抑えることを想定し、病院のベッド数削減や、後発医薬品の利用促進、介護サービスの自己負担割合の引き上げなどで、社会保障費を最大5.5兆円の削減が可能としている。
厚生労働省が中央社会保険医療協議会に示した2014年4〜9月の医療費は前年同期比1.4%増となったものの、2013年度通年での伸び率比で0.9ポイント低下していることが明らかになった。医療費が鈍化した背景には、入院日数が短くなったことに加え、薬価基準の引き下げや割安な後発医薬品の利用が伸びたことが挙げられている。とくに、調剤に占める後発薬のシェア(数量ベース)は政府目標としている6割に近い55%なっている。
厚生労働省の2014年の賃金構造基本統計調査によると、従業員10人以上の事業所を対象にした正社員を中心にしたフルタイム労働者の賃金は月平均30万円となり、前年を1.3%上回り、伸び率は18年ぶりの大きさになったことが分かった。企業規模別にみると、1千人以上の大企業は0.8%増の34万7千円、99人以下の小企業は0.3%増の26万2千円となった。非正規社員の賃金も2.6%増の20万円に伸びた。
共同通信社が全国の知事や市区町村長を対象にしたアンケート調査で人口減少により自治体が「消滅しかねない」との危機感を抱いている首長が77%まで達していることが分かった。人口減に対応して国に求める取り組みとして(複数回答)、「地方財政」(56%)が最多で、地方財源の拡充を強く求めている姿勢が伺えた。また、今後自治体が強化する施策(複数回答)では、「雇用確保」(72%)、「子育て環境の充実」(50%)、「移住促進・支援」(49%)が挙げられた。