社会・経済ニュース
2015年03月17日号
日経平均株価、15年ぶりの1万9千円台に
2月13日の日経平均株価の終値が1万9254円となり、2000年4月以来、約15年ぶりに1万9千円台になった。2月16日に1万8千円台に乗せてからわずか19営業日で1千円上昇した背景には、上場企業が業績改善で膨らんだ手元資金を賃上げや設備投資へ向け始めたことで、景気の好循環への期待感に厚みを増したことで、海外マネーが流入していることが挙げられている。

企業の人手不足感は過去最高に
厚生労働省の2月の労働経済動向調査によると、従業員が「不足」と答えた事業所の割合から「過剰」を差し引いた労働者過不足DIは正社員で2014年11月より9ポイント高い31となり、比較可能な1999年2月以降で最も高いものとなった。パートタイム労働者も過不足DIは前期より3ポイント高い29となり、最高を更新した。同省では「景気回復を受け、製造業、運送業、医療など幅広い業種が少子化で先細る人材を奪い合っている」と指摘している。

マイナンバー、預金口座に適用へ
政府が国会に提出したマイナンバー法改正案によると、資産を把握するために預金口座への適用を2018年から任意で始めることが盛り込まれた。税や保険料の徴収で、資産の把握が欠かせないため、預金口座へのマイナンバーの適用を盛り込み、2018年から預金者に銀行からマイナンバーを報告するよう求めるとしているが、当面、強制力はなく、政府は進捗状況をみて、2021年以降に義務化するかどうかを判断するとしている。

外国人の日本での消費額は1.6兆円に
内閣府がまとめた国内総生産(GDP)統計によると、2014年に外国人が日本で消費した額は実質で前年比31.0%増の約1兆6千億円となることが分かった。統計では国外に住む人による日本での消費は輸出として計上され、日本の輸出を伸ばす要因となり、昨年は輸出の1.8%程度となった。2年連続で1兆円を突破したことになり、2007年比の約2倍にもなった。

企業の利益配分は「設備投資」に
財務省と内閣府が発表した法人企業景気予測調査で、2014年度の利益配分は(複数回答)、大企業全産業で「設備投資」と答えた割合は60.3%でトップとなり、これまでトップだった「内部留保」は4.5ポイント下げる56.1%と逆転したことが分かった。大企業での投資意欲が伺えるが、中堅・中小企業は全産業ベースでトップが「内部留保」で、依然、景気改善への警戒感がみられた。

低価格、短時間で「がん」を発見
九州大などの研究グループの発表によると、人間の尿を体長1ミリの「線虫」に嗅がせ「がん」の有無を判定することを突き止めた。線虫は犬並みの臭覚を持ち、がん患者の尿に寄り付き、健康な人の尿からは逃げる特性行動を発見した。実験でのがん発見率は95.8%と高く、同時に行った血液採取による腫瘍マーカー検査をより精度は高かった。費用は検査1回100円から数百円程度で、1時間半で結果が出る。4年後の実用化を目指す。

生活保護の不正受給、過去最悪を更新
厚生労働省の発表によると、2013年度生活保護費の不正受給は前年度比1321件増の4万3230件となり、過去最悪を更新したことが分かった。しかし、1件当たりの金額は過去最少の43万2千円となっており、福祉事務所が受給者の収入状況の調査を徹底したことが奏功したとしている。不正受給の内訳は、最多は57.1%が「働いて得た収入の無申告・過少申告」で、「年金受給の無申告」(21.3%)が続いた。

くまモン商品売上高、過去最大の643億円
熊本県の発表によると、同県のPRキャラクター「くまもん」を利用した商品の2014年売上高は過去最大の643億2000万円に達したことが分かった。販売企業へのアンケートを基に算出しているが、回答していない企業もあり、実際の売上高はさらに多いとみられる。昨年は文具などのグッズは1割以上減少したものの、食品が前年の1.8倍となった。くまモンは熊本県の許可があれば無料で使用できる。