社会・経済ニュース
2015年04月07日号
統一地方選で告示された41道府県議選で、無投票当選比率が過去最高の21.9%となったことが明らかになった。無投票率が高かったのは、香川県で全41議席のうち27議席が有権者の審判を受けずに県議となり、無投票当選比率は65.9%だった。次いで、山形(45.5%)、宮崎(43.6%)、徳島(35.9%)が続いている。地方政治の深刻な「なり手不足」を浮き彫りにしている。
一般社団法人日本情報経済社会推進協会が1月に実施した調査によると、本年10月に個人番号が通知されるマイナンバー制度へのシステム面で「検討段階」「未着手」とする未対応の企業は8割を占め、対応が完了していない実態が明らかになった。10月以後、企業はアルバイトも含め社員とその家族から個人番号を集約し、納税や社会保障関連の手続き書類に記載が義務付けられ、安全管理体制の整備や情報漏えい防止のセキュリティ強化が不可欠となっているが、未対応企業が多く、混乱への危惧がある。
日本世論調査会が行った全国面接世論調査によると、現在の社会保障制度を「安心できない」「あまり安心できない」と不安を抱いている人は73%に上ることが明らかになった。社会保障制度で充実すべき分野(2つまで回答)では、61%の人が「年金」を挙げ、老後生活の柱である年金制度の安定を望む声が強いことが伺える。政府が公的年金制度を維持するために初めて実施したマクロ経済スライドによる給付抑制策には賛成と反対が48%で拮抗した。
政府がまとめた「南海トラフ巨大地震での応急対策活動計画」によると、地震発生から3日以内に自衛隊など全国各地から最大14万2600人を派遣することが分かった。また、災害派遣医療チーム(DMAT)も自治体の要請を待たずに各地から空路や陸路で出動させるとしており、国を挙げて、災害から72時間を経過すると生存率が大きく下がることを意識した3日以内に対応する方針を鮮明している。
日本商工会議所が3月中旬に全国の中小企業約3200社を対象に実施した調査で、43.8%の企業が「2015年度に賃上げを予定」していることが分かった。前回調査の昨年12月時点より約10ポイント増加しており、「中小の一部で賃上げに向けた動きが広がってきた」とみている。「賃上げ」の内容をみると、87.4%が定期昇給で、ベースアップは20.5%となっている。
東京私大教連が首都圏の私大に通う地方出身者の学生保護者を対象にした調査によると、学生の1日当たりの生活費は897円で、1986年度以降で初めて900円を割り込み、過去最低を更新したことが分かった。2014年度の親からの仕送り額は月額8万8500円で、家賃分を差し引いて30日で割った「1日当たり生活費」を算出したもの。同教連では、「地方経済が疲弊して家計が苦しい中、就職を考えると、首都圏の大学に通わざるを得ないのだろう」と指摘している。
総務省は全国の都道府県や市町村に対し、ふるさと納税への返礼での高額な商品や換金性の高いフリペイドカードなどの返礼特典を自粛するよう通知した。ふるさと納税では今年4月から税金減額対象の寄付上限が2倍に拡充されることで自治体が高額特典を付けることで寄付を呼び込もうとする競争が過熱していくことを防止する狙いがある。同省では「ふるさと納税は経済的見返りを求めない寄付である」との見解を通知で強調した。
厚生労働省の発表によると、2013年度の国民への公的年金給付額が50.5兆円となり、初めて50兆円を超えたことが分かった。公的年金は厚生年金と国民年金、そして国家公務員共済年金で、給付額はこれらの3つの年金を集計したもので、年金受給者数は3950万人に上る。年金積立金の残高(時価ベース)は運用収益が上がったことを背景に前年度比5%増の186.3兆円となった。