社会・経済ニュース
2015年04月14日号
4月10日の日経平均株価が一時2万6円00銭となり、15年ぶりに2万円台を回復した。東証1部上場企業の株式時価総額は約573兆円となり、これまで最高額を記録したバブル期の1989年12月(約590兆円)水準に迫るものとなった。株高は、円安で企業業績が改善したことを受け、国内外の資金が流入したことに加え、年金積立金管理運用機構などの公的資金の株式投資拡大などに支えられ株価が押し上げられている。
米調査機関ビュー・リサーチ・センターが日米両国の市民を対象とした「戦後70年の日米関係」の世論調査によると、「相手国を信頼できるか」との尋ねに、日本人の75%、米国人の68%が「信頼できる」としており、良好な両国間関係との認識を抱いていることが分かった。しかし、広島と長崎の原爆投下については、米国人の56%が「正当化し得る」と答え、日本人の79%が「正当化できない」がそれぞれ多数を占め、対極的な認識のズレが見られた。
UAゼンセンがまとめた加盟する労働組合のパート組合員の時給引き上げ額(加重平均)は前年比6.2円増の18.9円となり、2000年以降で最も高かった。正社員はベアと定期昇給を含む賃上げ額は前年比2.33%増の6290円となっているが、ゼンセンでは「人手不足もあり、正社員よりパート組合員の上昇率が高かった」と指摘している。
東京商工リサーチの発表によると、2014年度の全国の倒産企業件数は、前年度比9.4%減の9543件で、負債総額も同32.7%減の1兆8686億円だった。件数は1990年度以降24年ぶりに1万件を割り込み、負債総額も25年ぶりに2兆円を割り込んだ。大幅な倒産減少の背景には、公共事業の前倒し発注されたことや、銀行などが中小企業の融資返済猶予に応じていることが挙げられている。
厚生労働省の毎月勤労統計調査によると、2014年の年末賞与は37万5431円となり、前年比1.9%の増加となったことが分かった。増加に転じたのは6年ぶりで、伸び率は2004年の2.2%依頼の高い水準だった。従業員5人以上の事業所を対象に調べたもので、製造業、建設業をはじめ幅広い業種で賞与の増加がみられた。2月の現金給与総額は前年同月比0.5%増の26万1344円となり3カ月連続で増加している。
警察庁のまとめによると、昨年末時点での防犯活動を行うボランティア団体は4万7532団体で、構成員数は277万6438人に上り、いずれも過去最多だったことが分かった。同庁では「子供の被害事件が相次ぎ、地域での防犯意識が高まったため」とみている。ボランティア団体は児童の登下校を見守ったり、特殊詐欺対策として高齢者世帯への訪問を続けている。サイバー空間での防犯ボランティアも増え続けている。
厚生労働省が5年ごとに調査している周辺に医療機関がない「無医地区」は2014年10月時点で全国に635あり、地区内の人口合計が約12万3千人に上っていることが明らかになった。「無医地区」は半径約4キロの範囲に50人以上が暮らす地区のうち、車などを使用しても1時間以内に医療機関を受診できない地域を示し、前回調査より70地区減少したが、依然高水準にあり、同省では「必ずしも医療体制が改善されたとはいえない」としている。
日銀が発表した3月の貸出・預金動向によると、預金が前年同月比3.9%増の622兆円で、融資は同2.7%増の424兆円となり、預金が融資を過去最大額となる198兆円上回っていることが分かった。銀行のカネ余り現象を鮮明にした。預金は老後不安などから国民の貯蓄性向が強いことから増え、融資は低金利で借りやすい環境にあるものの緩やかな景気回復に借入れに対する企業の慎重姿勢が伺える。