社会・経済ニュース
2015年07月14日号
公的年金積立金運用益、最高の15兆円
年金積立金管理運用行政法人は2014年度の公的年金積立金の運用益が過去最高の15兆2922億円に上ったと発表した。増加率は前年度比で49.6%と大幅に増加した背景には、円安・株高が進展し、政府が運用資産の配分を国内と海外の株式での運用比率を2倍に高めたことが大きく寄与している。今年3月末時点での日本株比率は22%、外国株も20.9%に高まり、国内債は前年より15%下回る39.4%となった。

18年後、3戸に1戸が空き家に
野村総合研究所の推計によると、空き家の有効活用や撤去などの対策が進展しなければ、2033年の全国の空き家は2147万戸になるとの予測をまとめた。推計予測では、2013年の総住宅数は6063万戸、2023年は6637万戸、2033年は7107万戸で推移する一方、空き家数と空き家率は2023年に1394万戸(全体の21.0%)、2033年に2147万戸(同30.2%)になるとしている。18年後、人口減少を背景に3戸に1戸が空き家となる見通しにある。

女性の就業率は72%でもOECDで24位
経済協力開発機構(OECD)が発表した加盟34カ国の雇用情勢をまとめた「雇用アウトルック2015年」によると、日本の25〜54歳の女性の就業率は71.8%であることが分かった。就業率が最もかったのは、スウェーデンの82.8%で、アイスランド(82.1%)、スイス(81.2%)が続いた。加盟国の平均は66.9%で日本は平均を上回ったものの、24位にある。20〜30歳代で出産を機に退職する向きが多いためとしている。

富裕層女性の6割超が「資産運用」に関心
電通が行った日本の富裕層世帯を対象とした女性の意識・消費行動調査によると、61.5%が資産運用に「関心あり」と答えていることが分かった。富裕層を世帯純資産が1億円以上、また世帯収入が2000万円以上の世帯を定義し、20〜60代の女性を対象に実施した。行っている資産運用を尋ねたところ(複数回答)、「国内の株式投資」が最多の65.4%で、「海外の株式投資」(18.8%)、「外国債券」(15.9%)、「金」(15.5%)が続いた。

上半期の倒産、24年ぶりに5千件割れ
東京商工リサーチが発表した2015年上半期(1〜6月)での負債1千万円以上の企業倒産件数は4568件となり、24年ぶりに5千件を割り込んだことが分かった。倒産件数は6年連続で減少した。負債総額も前年同期比6.1%減の9902億円で25年ぶりに1兆円を割り込んだ。企業業績の改善が背景にあるが、同社では「資金需要が活発になる秋口以降に緩やかな増加に転じる可能性がある」と指摘している。

家計の金融資産残高、初の1700兆円に
日銀の発表によると、3月末時点での家計の金融資産残高は前年同期比5%(85兆円)増の1708兆円になり、初めて1700兆円を突破したことが分かった。内訳をみると、現預金が2%増加の883兆円となり、家計資産の過半数を占め、株式は20%増の100兆円、投資信託は22%増の95兆円などとなっている実態から、日銀では「資産運用には積極姿勢がみられる一方で、消費には慎重」とみている。昨年度1年間の家計の資産から負債を差し引いて差額の資金余剰は前年度比57%増の25兆円だった。

米で2150万人分の個人情報が流出
米連邦政府の人事管理局は同局のコンピュータシステムがサイバー攻撃により米人口の約7%にあたる2150万人分の個人情報が流出したとの調査結果を発表した。米国史上最大の個人情報流出は中国のハッカーによるサイバー攻撃とみられるとAP通信が報じている。盗まれた情報は政府機関職員をはじめ、元職員や出入り業者らでその家族も含まれ、「社会保障番号」なども流出したとしている。

新入社員、仕事より自分の時間を優先
就職情報会社のマイナビが新入社員を対象にした調査で、仕事とプライベートのどちらを優先するかを尋ねたところ、プライベート優先(53.3%)が仕事優先(45.1%)を上回ったことが分かった。また、仕事後の過ごし方で、「会社の人と過ごしたい」と「なるべく会社の人と過ごしたい」とすると考える人は20.6%となり、過去最低を更新し、より一層、会社との関わり時間よりも自分の時間を優先する姿勢の新入社員像を浮き彫りにした。