社会・経済ニュース
2015年07月21日号
2030年の原発発電割合を20〜22%に
経済産業省は2030年度の総発電量に占める電源ごとの割合、いわゆる電源構成で原発発電割合を「20〜22%」とすることを決定した。原発以外の電源構成では、太陽光発電などの再生可能エネルギーを現在の約2倍にあたる「22〜24%」、火力発電を「56%」とした。原発割合を20〜22%とするためには、原発の原則40年とする運転期間の延長や新設・増設が必要となってくる。

電気料金の平均単価、震災後25%上昇
閣議決定された2014年度エネルギー白書によると、家庭の電気料金の平均単価は東日本大震災のあった2010年度と比べ25.2%上昇したとしている。白書では「賃金の大幅な改善がみられない中で家庭の負担は増す」と指摘し、「教育費や交際費などが抑制された」と分析している。産業用の電気料金の平均単価は38.2%上昇しており、経産省が実施したアンケートでも4割の企業が「経常利益を10%以上圧迫した」と答えている。

国民年金保険料納付率、3年連続で上昇
厚生労働省の発表によると、2014年度の国民年金保険料の納付率は前年度比2.2ポイント上昇し63.1%になったことが分かった。3年連続の上昇で、60%台は2年連続となった。しかし、低所得での納付の全額免除や猶予を受けている人が602万人おり、全体の約3分の1を占めており、免除者や猶予者などを含めた実質的な納付率は40.6%となる。都道府県でみると、納付率が高いのは島根の76.7%で、最低は沖縄の45.2%だった。

11万人が運転に支障の「病状申告」
昨年6月施行の改正道交法で義務付けられた、車の免許取得・更新の際に運転に支障を及ぼす可能性がある病状の申告者は1年間で11万1489人に上ることが警察庁のまとめで分かった。免許の取得・更新時に全員に対し、質問票で「過去5年以内に意識を打つなったことがあるか」などを尋ね、該当者には警察職員による聞き取り調査や医師の診断書提出により、免許取り消しなどを決定している。昨年1年間で免許取り消しや停止などの処分は約1.3%の1415件だった。

生活保護世帯、減少に転じる
厚生労働省は4月に生活保護を受給した世帯は1534世帯減少し、162万924世帯になったと発表した。同省では「新年度に入って、就労して生活保護を脱却した人が増えた」とみている。また、同省が発表した都道府県の最低賃金と生活保護の水準に関するデータによると、全都道府県で、最低賃金で働く人の手取り収入が生活保護の受給額を上回っていることが明らかになった。これで、生活保護が最低賃金を上回るという逆転現象が解消されたことになる。

介護保険料の2年以上滞納者は1万人超
厚生労働省のデータによると、介護保険料を2年以上滞納した高齢者は2013年度に1万335万人に上ることが分かった。保険料の2年以上の滞納者にはペナルティとして基本1割の介護サービス利用者負担が3割に引き上げられることになっており、この引き上げ対象者がデータの基礎となっている。滞納額は過去最高の274億円に上っている。生活困窮からの滞納者は介護サービスの負担割合が高まることでサービスを控えざるを得ない人もいるとみられる。

認知症で行方不明、2年連続1万人超に
警察庁のまとめによると、昨年1年間、認知症が原因で行方不明になったとして家族などから届けられた人は1万783人だったことが分かった。2年連続で1万人を超えたことになる。昨年中に所在が確認できたのは2013年以前の届け出も含めて1万848人だった。警察庁では4月から、家族の了解のもとに、認知症による不明者のDNA型をデータベース化する制度の運用を開始しており、所在確認への期待が高まっている。

男性会社員の小遣い、過去2番目の低さ
新生銀行が20〜50代の有職者の約2300人の男女を対象に実施した「2015サラリーマンのお小遣い調査」によると、男性会社員のお小遣い額は前年比1,930円減少の3万7642円だった。調査開始の1979年以降で過去2番目に低い額となった。同行では「養育費・教育費などの家計への負担感がお父さんのお小遣いを直撃したもの」とみている。また、男性会社員の1日の平均昼食代は前年比60円増の601円だった。