社会・経済ニュース
2015年08月11日号
銀行の不良債権、10兆円を割り込む
金融庁の発表によると、今年3月末時点での全国の銀行(115行)の不良債権残高は9兆1430億円となり、3月末時点では1999年以降で初めて10兆円を割り込んだ。銀行の不良債権はバブル崩壊後から増え続け、2002年3月末では43兆円台までなっていた。銀行融資に占める不良債権比率も3月末時点で前年より0.3ポイント低下し、1.6%となっている。

離婚調停申立件数は右肩上がりに
最高裁の調べによると、2014年全国の家庭裁判所で新たに離婚の申し立てを受理した調停・審判の件数は4万1603件に上り、2005年(2万5728件)から10年間で約60%増加していることが分かった。また、平均の審理期間は10年前より1.2カ月延び5.9カ月と長期化していることも明らかになった。審理の長期化の背景には、少子化の影響もあって、子供の養育費や親権を巡って「感情的対立が先鋭化している」と最高裁では指摘している。

年金積立金運用益、15兆円超に達する
厚生労働省が発表した2014年度年金特別会計収支決算によると、厚生年金勘定は13兆8390億円の黒字、国民年金勘定は8046億円の黒字となったことが分かった。厚生年金が4年連続、国民年金は6年連続で黒字となったが、それぞれ黒字額は過去最高となった。黒字となった背景には、株高・円安で積立金の運用成績が15兆円超にも上り、とくに積立金の運用資産割合で株式比率の割合を拡げたことが黒字増大に寄与した。

深刻な交通遺児世帯での家計実態
交通遺児育英会は同会が自動車やバイク事故などで死亡したり、重い障害が残ったりした親を持つ高校生以上の子供に奨学金を貸し出している世帯を対象にした調査で、4割を超える世帯で「預貯金が100万円未満」と答え、厳しい家計実態にあることが分かった。「預貯金はない」とする世帯も24.2%に上っており、同会では「交通遺児の置かれた厳しい状況が改めて浮き彫りになった」と指摘している。

要介護認定、国民の20人に1人
厚生労働省の発表によると、今年3月時点で要介護・要支援の認定者数は初めて600万人を突破し、606万人となり、国民の20人に1人の割合になることが分かった。内訳では女性が419万人で、男性が187万人となっており、長寿などを背景に、女性が圧倒的に多くなっている。介護認定者はエイジング総合研究センターの推計では、2025年に800万人を超えるとみられ、今後、介護施設や職員の不足が深刻になるとみられている。

コメ需要減が響き、食料自給率39%に
農林水産省が発表したカロリーベースの食料自給率が5年連続で39%にとどまっていることが分かった。コメの需要が減少したことが影響したものと見られ、事実、コメは1人当たりの年間消費量は1.7キロ減の55.2キロに落ち込み、自給率全体を0.2ポイント押し下げた。品目別の自給率(重量ベース)は野菜が80%、牛肉が42%でそれぞれ前年度比1ポイント上昇し、食用魚介類は横ばいの60%だった。

人事院、2年連続で引き上げを勧告
人事院は2015年度の国家公務員一般職の月額給与を0.36%、ボーナスを0.1か月分引き上げるよう勧告した。引き上げ勧告は24年ぶりに2年連続となった。勧告により、平均年間給与は5万9千円増の666万5千円となる。今回、人事院はワークライフバランスを推進する立場から全職員がフレックスタイムを利用できるようにすることも勧告した。政府は給与関係閣僚会議で決定する。

小中生の不登校、2年連続増加の12万人
文部科学省の学校基本調査によると、2014年度に病気や経済的理由以外で年間30日以上欠席した「不登校」の小中学生は12万2902人に上り、2年連続で増加していることが分かった。これまで不登校は2001年(13万8733人)に過去最多を記録したものの、その後は減少してきていたが、昨年度から増加に転じた。また、同調査で、今春の大学卒業生の就職した人の割合は72.6%に上り、1994年以来、70%を超えたことも分かった。