社会・経済ニュース
2015年10月20日号
消費税増税時の軽減税率導入を指示
首相は新たに就任した自民党税制調査会の宮沢会長に対し、2017年4月の消費税率10%への引き上げと同時に軽減税率の導入を指示するとともに、「商工業者などの無用な負担になるようなことは避けて現実的な解決策を講じる」ことを指示した。軽減税率導入に際しては、取引時に品目ごとに税率や税額などを記載した税額票(インボイス)が必要となるが、事務負担が増大することに配慮した指示で、一段と軽減税率導入への現実味が増してきている。

震災被災企業の5割超が依然売上高減少
東北経済産業局が東日本大震災の被災企業約8500事業者を対象にした調査で、売上高が震災直前の水準に回復した、または増えた企業は44.8%にとどまり、55.2%の事業者は依然売上高が減少していることが分かった。業種別に震災直前の水準以上まで売上げが回復していると回答している割合が高かったのは、建設業が最多の75.8%で、運送業(52.9%)が続き、逆に水産・食品加工業が25.9%で最も低かった。

9月の企業物価指数は3.9%下落
日銀は9月の企業物価指数(2010年=100)は102.2となり、前年比マイナス3.9%に下落したと発表した。中国経済の減速を背景に商品市況安が見られ、とくに前月比で下落した383品目の中でも大きく押し下げたのは、石油関連製品、化学製品、鉄スクラップ、鉄鋼製品などとなっている。川上の企業物価指数の下落は、川下の消費者物価への影響は不可避で、政府・日銀が目標に掲げる消費者物価2%増の達成が懸念される。

特殊詐欺被害での電子マネー要求が急増
警察庁がまとめた今年上半期(1〜6月)、振り込め詐欺などの特殊詐欺全体の被害件数は7007件で、被害額は約236億5千万円に上ることが分かった。また、上半期では特殊詐欺で現金の代わりにプリペイドカード式の電子マネーによる支払いが要求される被害が増加し、被害額は前年同期の約28倍にあたる1億9500万円になっていた。電子マネーは、インターネットに接続したパソコンやスマートフォンがあれば、IDを入手するだけで現金化することが可能になっている。

9月の中国輸入額、20.4%の減少に
中国税関総署の発表によると、9月の輸出と輸入を合わせた貿易総額(ドルベース)は11.4%減少となり、7カ月連続でのマイナスで、一段と中国経済の鈍化傾向が鮮明となった。内訳をみると、輸出が前年同月比3.7%減、輸入が20.4%と大幅な減少となっている。1〜9月までの累計貿易総額は前年同期比8.1%減で、中国政府が目標とする年間6%増の達成は困難視されている。

8割超が自分が希望する介護に「不安」
読売新聞社が行なった介護に関する全国世論調査によると、将来自分が希望する介護サービスを受けられないのではないかとの不安を抱いている人は、「大いに」(46%)、「多少は」(40%)とを合わせると86%に上っていることが分かった。また、大都市部の高齢者が将来、介護サービスを受けやすい地方へ移住することについて、「賛成」が61%を占め、男女別にみると、賛成の男性が65%で、女性の57%を上回っていた。

有休取得率、政府目標に程遠い47.3%
厚生労働省は2014年に民間企業で働く労働者が取得した年次有給休暇割合は前年比1.5ポイント低い47.3%となったと発表した。政府は2020年度までに取得率を70%へ引き上げる目標を掲げているが、目標には程遠い現状にある。労働者1人当たりに与えられた有給休暇日数は平均18.5日だったが、実際に取得した日数は同0.2日減の8.8日だった。景気回復で業務が増え、休暇が取りづらい環境にあることが原因とみられている。

救急搬送の高齢者の事故、転倒が8割超
東京消防庁が2014年に交通事故以外で救急搬送した高齢者の事故は「転倒」が81%で最多だった。転倒に続き、「のどに物が詰まる」「ぶつかる」「溺れる」などだった。転倒した場所は、自宅などの居住場所が57%、道路や交通施設が34%となっている。転倒した場合、軽症なケースと、入院が必要だが命に別条はないとする中等症とで全体の99%を占めている。同庁では転倒防止のために、段差の解消や手すり・滑り止め・足元の明かりの設置を勧めている。