社会・経済ニュース
2015年12月08日号
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は公的年金の7〜9月の運用実績は7兆8899億円だったと発表した。GPIFは昨年10月の運用改革で国債中心の運用から国内外の株式での運用比率をそれぞれ25%に高めて株式投資を増やしてきており、7〜9月の収益率はマイナス5.59%で、運用改革後初めて損失となった。公的年金の株式運用での運用リスクの存在を浮き彫りにした。
41都道府県がまとめた自治体の人口の将来展望を示す「地方人口ビジョン」によると、2060年時点での人口は40都道府県で減少するとの見通しを示していることが明らかになった。減少率が高いのは、秋田が44%で、青森(37%)、島根(35%)が続いている。唯一、沖縄は21%の増加見通しである。地方ビジョンは政府が2060年に1億人程度の人口を維持することを想定したことを受け、自治体が来年3月まで作成する。
財務省が発表した7〜9月期の法人企業統計によると、全産業(金融・保険業を除く)の設備投資は10兆4937億円で、10四半期連続で前年同期を上回っていることが明らかになった。製造業で前年同期比12.6%増の3兆8770億円、非製造業で同10.4%増の6兆6166億円だった。同省では「景気は緩やかな回復基調続いているという経済全体の傾向を示している」と分析している。
国土交通省が人が住んでおらず別荘や賃貸用でもない、いわゆる空き家になっている全国の住宅を調査したところ、腐朽・破損になっている物件は全体の59%を占めていることが分かった。調査は同省が今年5月の空き家対策特別措置法の全面施行を前に行なったもので、同法では市町村は一定の手続を行えば危険な空き家を強制的に撤去することが可能としている。また、破損している住宅の所有者の32%が「空き家にしておく」との調査結果も出た。
厚生労働省の賃上げ動向調査によると、2015年の平均賃上げの1人平均額は月額5282円となり、1999以降で最も多い額となった。賃上げ率は前年比1.9%となったが、政府が賃金水準を3%程度とするとした目標には達していない。2015年中に賃金を引き上げた企業の割合は85.4%で過去最高となった。政府は来年度以降も個人消費の回復による景気の本格軌道に乗せるとともに、GDP600兆円の実現のため、さらに賃金水準を3%程度の引上げを目指すとしている。
佐藤製薬が20〜59歳の男女を対象にした調査で、59%の人が「忘年会シーズンに体調不良の症状≠ェ出る」と答えていることが分かった。体調不良の症状を尋ねたところ(複数回答)、「身体がだるい」(40%)、「眠気がひどい」(23%)、「首や肩が凝る」(16%)が挙げられた。体調が不良になり「仕事の効率が下がった」と答えた人は83%にも上った。また、取引先との忘年会がある場合、体調不良でも断らないとする人は77%だった。
2015年度の一般会計での税収が当初見積もりの54兆5250億円より1兆5千億円上回る56兆円台になる見通しが明らかになった。1991年以来の高水準となる。企業収益の拡大により法人税収の伸びに加え、賃上げを背景に4〜10月の所得税収が前年同期を1割ほど上回っている。政府は、税収の上振れ分は2014年度予算の剰余金と合わせ、2015年度補正予算案の財源とすることを計画している。
住宅リファーム推進協議会が全国の4歳から小学6年生とその親を対象にした調査によると、祖父母の家で苦手な場所は「トイレ」が最多で、「浴室」「階段」「洗面所・脱衣所」が挙げられた。最も多く挙げられた祖父母の家のトイレを苦手とする理由では「寒くて暗い」「和式だから」「少し遠くにあって怖い」などを指摘した。逆に、祖父母の家で楽しいと思うことでは、「一緒にご飯を食べること」を最多に、「一緒におしゃべりすること」「親戚が集まって大勢で食事できること」が上位を占めた。