社会・経済ニュース
2015年12月22日号
米、40年ぶりに原油輸出を解禁
米議会上院が2016会計年度通年予算の歳出法案で原油輸出を解禁することを可決した。下院に続く可決で、米大統領が署名し成立したことで、40年ぶりに原油輸出が解禁される。シェールオイルの原油堀削の増産を背景に原油生産量が世界一となり、販売先を拡げる声が高まっていた。米国の原油輸出解禁によって、原油の国際価格は下押し圧力となって原油安の流れとなり、日本にとっては安定供給の恩恵も大きいとみられている。

東京五輪運営費は当初6倍の1.8兆円に
2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会と東京都の試算によると、大会運営費は1兆8千億円に上ることが明らかになった。資産には、新国立競技場の建設費は含まれていない。当初、東京五輪「立候補ファイル」で示した運営費は組織委員会が3013億円としていたが、約6倍まで膨れ上がった背景には、物価高騰とテロ対策強化などの影響を「最大限考慮した」としている。

実質労働生産性、先進国で最低水準に
日本生産性本部は、2014年度の実質労働生産性は前年度比1.6%減少したと発表した。5年ぶりのマイナスで経済協力開発機構(OECD)加盟34カ国中では21位で、先進7カ国中では最低となった。産業別にみると、製造業は米国の7割、非製造業で5割の水準にあった。同本部では、「労働人口が減少する中で国内総生産(GDP)600兆円を達成させるためにも生産性の向上が必要だ」と指摘している。

世界の働く貧困層は8億人超に
国連開発計画(UNDP)が発表した2015年版「人間開発報告書」によると、国民生活の豊かさを示す「人間開発指数(HDI)」で日本は昨年度1ランク下げる世界第2位となった。HDIは経済的尺度図れない豊かさを数値化するため、1人当たりの国民総所得に平均寿命、就学状況を組み合わせて算出したもの。また同報告書では、世界で2億400万人が失業し、1日2ドル(約240円)以下で暮らすワーキングプア(働く貧困層)も約8億3千万人に上ると指摘した。

雇用保険料を4年ぶりに引き下げ
政府は労使が折半で負担する雇用保険料を来年度から現行の1%を0.8%に引き下げる方針を固めた。4年ぶりの引き下げとなった背景に、失業手当の積立金が6兆2千億円を超えるなど雇用保険財政が安定したことに加え、完全失業率が20年ぶりの低水準にあることで判断した。一方、企業が賃金の0.15%負担している子育て支援策の財源である「事業主拠出金」料率は引き上げるとしている。

介護分野の人材不足へ8割が「不安」
時事通信社が全国成人男女を対象にした世論調査で、「介護業界の人手不足に伴うサービス低下への不安」を尋ねたところ、「非常に不安」(45.3%)、「どちらかと言えば不安」(39.4%)と、不安を抱く人は84.7%だった。不安を抱く人を全国12ブロックで見ると、最も「不安」が高かったのは甲信越の92.9%で、逆に低かったのは北陸の74.2%だった。人手不足の解消としての外国人による介護について尋ねると、「日本人か外国人かは関係がない」(50.6%)、「日本人の介護を希望する」(46.4%)で拮抗した。

女性管理職、政府目標に遠い7.7%
内閣府の発表によると、4月1日時点での都道府県庁や警察に勤務する地方公務員の女性管理職の割合は前年比0.5ポイント増の7.7%にとどまり、政府が目標に掲げる30%には大きく届かない実態にあることが分かった。女性管理職の割合が高かったのは東京の15.1%で、鳥取(13.0%)、富山(10.7%)が続き、逆に低かったのは北海道の3.8%で、長野・秋田(3.9%)、長崎(4.0%)となっていた。

77%の人が年末の大掃除を行う
ダスキンが20歳以上の男女を対象に今年の年末の大掃除の予定を尋ねたところ、77.4%の人が「する」と回答したことが分かった。今年の大掃除を予定している日を尋ねると、「12月27日」が最多の34.2%で、「26日」(26.8%)、「29日」(26.5%)が続いた。昨年の大掃除で要した日数を尋ねると、「3日間以内」が最多だった。また、最も汚れが落ちにくかった場所では、「レンジフード・換気扇」「浴室」「キッチン」の順で挙げられた。