社会・経済ニュース
2016年01月12日号
世界銀行は2016年の世界全体の実質経済成長率はこれまで予測していた3.3%から2.9%に引き下げたと発表した。引き下げ要因として、新興国において海外からの投資減少や原油安、貿易不振で景気が振るわない事を指摘した。「中国やロシアなどの主要新興国の景気が想定以上に落ち込み、金融市場の混乱につながれば、世界経済は急減速する」と世銀は警戒する。いずれ世界経済の危険水域とされる3%を割り込むと予測している。
厚生労働省が公表した人口動態統計の年間推計によると、2015年に出生した赤ちゃんは100万8千人で、5年ぶりに増加に転じたことが分かった。増加に転じたといっても出産世代の女性の人口は減少しており、少子化傾向は続くとみられる。また、死亡数から出生数を差し引いた人口の自然減は29万4千人で減少幅は過去最大となり、確実に人口減少社会を突き進んでいる実態が浮き彫りとなった。
東京株式市場で日経平均株価が年始から5営業日連続で下落した。これまでの年始からの連続下落は1995年の4営業日で、平均株価指数の算出が始まった1950年以降で初めてとなる。中国や米国経済の先行き不透明感に加え、外需依存の日本の大手企業の業績悪化懸念から売り注文が殺到したとみられる。5日間連続の下落について市場関係者は「年初の続落は経済が難局に追い込まれる兆しで、5日連続は異常事態」と指摘している。
全国大学生生活協同組合連合会が昨年大学に入学した新入生の保護者を対象に受験から入学時までの出費を調査したところ、消費税増税での負担が重くのしかかっている実態が明らかになった。教科書・教材購入費用は7300〜1万3700円増え、下宿生での住まい探しが3600〜8500円増加、生活用品購入費用も家電製品の押し上げで1万2800〜2万1700円増となり、下宿生全体では30万9100円となり、2008年度以降で最も高かった。
JTBが発表した2016年の訪日外国人客数予測によると、前年推計比19.0%増の2350万人に達し、過去最高を更新するとの見通しを示した。昨年初めて訪日外国人客数が100万人を突破したクルーズ船での訪日に際し、政府がクルーズ船の受け入れ体制を拡充する方針を示していることに加え、国家戦略特区での民泊の利用が開始されることも訪日外国人客増加の追い風となる。
綜合警備保障が行った意識調査によると、繁華街や駐車場などでの防犯カメラについて、「10年前と比べ増えていると思う」人は74.8%に上り、「もっと設置した方がよい」と考える人は59.2%に上ることが分かった。増設すべき場所として、多くの人が繁華街、駐車場、商店街を挙げた。また、防犯カメラを不快と感じるかについては「感じない」とする向きは53.2%で、「不快と感じる」は15.2%だった。
旅行予約サイト運営会社のエクスペディアが欧米やアジアなど26の国・地域の18歳以上の働く男女を対象に行なった調査によると、「年に何日、有給休暇があるかを知らない」人の割合が日本では53%に達し、1位となった。2位のオランダ(38%)を大きく引き離し、仕事中心の日本人を象徴した。また、有休を取得するのに罪悪感を抱く割合も1位の18%にも上った。
結婚情報誌「ゼクシィ」を制作するリクルートマーケティングパートナーズが首都圏などの三大都市圏で行った調査によると、子供が欲しいと考える新婚女性は94.6%に上り、調査開始(2009年)以降で最も高くなっていることが分かった。1人目の子供がし欲しい時期については「結婚後2〜3年以内」が最多の56.1%で、「結婚後1年以内」も38.3%だった。同社では、「晩婚化で出産するタイミングへの意識が強くなり、早く子供が欲しいと考える人が増えた。結婚がゴールから家族のスタートに変化した」と分析している。