社会・経済ニュース
2016年02月16日号
内閣府は2015年10〜12月期の国内総生産(GDP)速報値で実質GDPが前期(7〜9月期)比0.4%減、年率換算では1.4%減になったと発表した。2四半期ぶりのマイナス成長となった背景には、景気のけん引役であり、GDP全体の6割を占める個人消費がマイナス0.8%に落ち込んだことが響いている。暖冬による冬物衣料の不振、賃金の伸び悩み、消費者の節約志向がみられる。
財務省は、2015年の国際収支速報で旅行者のお金の出入りを示す「旅行収支」が1兆1217億円の黒字だったと発表した。暦年での黒字は53年ぶり。過去最高となった訪日外国人旅行客数の増加と、とくに伸び率が大きかった中国人旅行客の爆買いが寄与したことが背景にある。旅行に加え、モノやサービス、投資などの海外との取引全体を示す経常収支の黒字額は原油安を背景に前年比6.3倍の16兆6413億円に上っている。
厚生労働省の発表によると、市町村が運営している国民健康保険(国保)の2014年度の実質的な赤字額は前年度比447億円増の3585億円だったことが分かった。1人当たりの保険給付費が2008年度以降で最多の27万6737円に膨らんでいる。国保加入者の平均年齢は上昇しており、高齢化の進展で医療費が膨らんできている。保険料納付率の全国平均は90.95%で、前年度から0.53ポイント改善している。
財務省の発表によると、2015年度の国民所得に占める税と社会保障の負担する割合を示す国民負担率は過去最高の44.4%になる見通しであることが分かった。負担率の内訳は、消費税や住民税を合わせた税の負担率が26.5%、社会保障の負担率が17.9%となっている。16年度は、税負担が0.4ポイント、社会保障が0.1ポイント、それぞれ下がり43.9%になる見通しである。
厚生労働省の毎月勤労統計によると、2015年度の実質賃金は物価変動を除き前年比0.9%の減少となり、4年連続でマイナスとなったことが分かった。現金給与総額は月額31万3856円と0.1%増になり、2年連続でプラスになったものの、消費者物価指数が1.0%上昇し、賃上げが物価上昇を下回っている。エコノミストは「ベースアップが相次いだものの、印象ほどには全体の賃金は伸びていないことを浮き彫りにした」と見ている。
日本チェーンストア協会の発表によると、2015年の全国のスーパー売上高は、既存店ベースで0.7%増加し、1996年以来プラスに転じたことが分かった。19年ぶりに売上高が増加に転じた背景には、天候不順による野菜、飼料価格の高騰による肉、それぞれの価格が値上がりしたことで食料品が2.5%増となった。衣料品は暖冬で苦戦し、2.1%減となり、住宅関連品も布団やカイロなどの動きが鈍く、2.0%減となった。昨年11月以降の暖冬が消費に悪影響を及ぼしていると同協会では指摘している。
文部科学省の調査によると、今春卒業予定で就職を希望している高校生の昨年12月末時点での就職内定率は前年同期比1.2ポイント増の90.0%だったことが分かった。6年連続での上昇で、90%台となったのは25年ぶりとなる。都道府県別でみると、最高は富山の97.6%で、最低は沖縄の65.0%だった。同省では「高水準の背景には高校生が必要とされるサービス業や製造業などでの採用活動が活発化していることがある」と見ている。
大阪大学と国立がん研究センターなどのチームが米医学誌に発表した論文によると、朝食を食べる回数が週2回以下の人は毎日食べる人に比べて脳出血の危険性が36%高まることが世界で初めて確認された。全国の45〜74歳までの男女を13年間追跡調査した研究によるもので、欠食の頻度が高いほど危険性が高まる結果が出た。同チームでは「朝食を食べないと朝の血圧が高まるためと考えられる」と分析している。