社会・経済ニュース
2016年03月01日号
総務省は国勢調査の速報値として2015年10月1日時点での日本の総人口は1億2711万人となり、5年前の前回調査時点から約94万7千人減少したと発表した。1920年の国勢調査開始以来、初めて減少に転じた。人口減は39道府県でみられた一方で、東京圏(埼玉、千葉、東京、神奈川)の人口は約51万人増加の約3613万人で、東京一極集中の実態が浮き彫りとなっている。
リクルートワークス研究所のまとめによると、2016年度の正社員の中途採用を前年度より「増やす」と回答した企業の割合は14.1%となり、「減らす」とした企業の3.7%を大きく上回り、企業での採用意欲が依然強いことを裏付けた。5年連続で「増やす」が「減らす」を上回っている。「増やす」企業を業種別にみると、飲食・サービスが42.1%でもっとも高く、情報通信が18.8%、機会・プラント・エンジニアリングが17.6%、医療福祉が17.5%で続いている。
厚生労働省がまとめた推計によると、40〜64歳の4240万人が負担する介護保険料が2016年度に1人当たり平均の月額が5352円になることが分かった。2000年度の制度開始時には月額2075円だったが2倍超の保険料額となり、最も高いものとなる。高齢化の進展でサービス利用者が一段と増加し、介護給付費が9兆7256億円となり、1人当たりの保険料額も増加してきている。
政府は昨年9月に成立した青少年雇用促進法に基づき、3月1日から就職活動中の学生が求めた場合に職場情報の提供を企業に義務付ける制度を開始する。社会問題化しているブラック企業へ対応するもので、就活生から求めがあれば、@離職率や平均勤続年数といった「募集・採用」、A月平均の残業時間や有給休暇・育児休業の取得の「雇用管理」、B研修制度の有無など「職業能力開発・向上」の3項目の情報を提供することになる。
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)がまとめた兵器の国際取引に関する報告書によると、2011〜15年の5年間に中国が輸出した兵器の量は前期5年間比88%増加していることが分かった。国別の輸出シェアでの中国は、首位の米国(33%)、2位のロシア(25%)に次ぐ3位(5.9%)となった。中国の輸出先はパキスタンを筆頭にバングラデシュやミャンマーが続き、アジア・オセアニアが主体だった。
ペットフード協会がまとめた2015年の犬と猫の飼育実態調査によると、推計で犬が約991万7千匹、猫が約987万4千匹になったことが分かった。犬の飼育数が2012年以降減少してきており、猫は横ばいで推移してきており、その差は肉薄してきている。同協会では「今後、猫が犬を上回るだろう」と予測している。理由として、「独り暮らし世帯の増加や飼い主の高齢化で、散歩などの世話が必要な犬の数が減った」としている。
全労連の調査で、昨年4月時点で介護現場で働く職員で「月給が増えた」との回答は25.3%にとどまり、「変わらない」が49.5%と半数を占めていることが分かった。今年度、政府は介護職員に支払う給与を月額1万2千円増やす狙いから、介護事業所の収入を増やしたが、介護事業所に支払う介護サービスの単価を引き下げた。このため、労働組合では「事業所の総収入が減ってしまい、人件費を削って赤字を埋めているとみられる」と指摘している。
情報セキュリティ会社のデジタルアーツが10〜18歳の子どもと、0〜9歳の子どもを持つ保護者を対象にした調査で、インターネットで小遣い稼ぎをした経験を高校生は74.2%(男子:79.6%、女子:68.9%)に上ることが分かった。ネットでの稼ぎ方は「ポイント交換」が76.8%でもっとも多く、「自分が使用していた品物などの物品販売」が12.6%だった。稼ぐ金額は1カ月1万円未満が86.8%で大半を占めたが、5万円以上というのも3.2%あった。