社会・経済ニュース
2016年03月15日号
日銀の統計によると、2月の現金流通量の伸び率は前年同月比6.7%増加となり、13年ぶりの大きさとなっている。現金流通量の増加はタンス預金の増加を意味しているが、背景について識者は「マイナス金利で銀行預け入れのメリットが薄れたことに加え、マイナンバー制度導入での資産が捕捉されることへの不信感があるのではないか」と指摘している。
総務省が世帯員2人以上いる約2万世帯を対象にインターネットに関する調査で、「ネットで買い物をする」世帯が2015年は全体の27.6%に上り、10年前と比較すると2.5倍になっていることが分かった。ネットショッピングの利用率は世帯主が30代以下の世帯で45.2%、70代以上の世帯では11.1%で、年齢が若い世代ほど利用率が高くなっている。ネットショッピングの世帯の平均支出額は年37万5720円だった。
東京商工リサーチの調査で、1月末時点でマイナンバー制度への対応が「完了した」企業の割合は約53%にとどまっていることが分かった。調査では、番号の管理方法策定や人事・給与システムの改修、情報セキュリティ対策を聞いたもので、「全て完了」「おおむね完了」とする完了した企業は約53%で、「システム設計・改修中」が15.5%、「対応を検討中」が21.5%となっている。また、制度への利点を感じていない企業は約7割に達していた。
朝日新聞社が東日本大震災被災3県の沿岸部を中心とした42市町村にアンケート調査をしたところ、経済的に苦しい小中学生を対象に学用品や修学旅行などの費用を援助する「被災就学援助」を受ける小中生は1万3千人に上ることが分かった。被災地域の小中生の7%を占め、津波被害の大きかった自治体では5割を超えており、被災地の子供が経済的な困窮状態にあることを浮き彫りにしている。
中国税関総署の発表によると、2月の輸出額(ドルベース)は前年同月比25.4%減少していることが分かった。2009年5月以来の減少幅となっている。1月が11.4%減となっており、人民元の下落傾向にも関わらず、中国の輸出のマイナス幅が拡がっており、中国経済の減速感への警戒感が強まり出している。輸入は13.8%減となり、輸出と輸入を合わせた貿易総額は20.8%減少している。
警察庁のまとめによると、昨年6月から始まった悪質な自転車運転者に安全講習を義務付ける制度の下で「危険行為」として摘発した件数は7924件に上ることが分かった。危険行為の内訳をみると、信号無視が全体の4割を超える3419件で、次いで、遮断機を無視した踏切への立ち入りが1950件、携帯電話をしながら運転して事故を起こすなどの安全運転義務違反が921件となっている。都道府県別での摘発件数での最多は大阪で、東京、兵庫、神奈川が続いた。
法務省の発表によると、2015年末時点での在留外国人数は223万2189人となり、過去最多意を更新していることが明らかになった。在留外国人は、中長期在留者と特別永住者の合計。国籍・地域別でみると、トップは中国(約66万人)で、韓国(約45万人)、フィリピン(約22万人)が続いている。一方、不法残留者数は本年1月1日時点で6万2818人となり、2年連続での増加となっている。
千葉大と東大などの研究チームの発表によると、「笑うことが殆どない人」は「ほぼ毎日笑う人」に比べて脳卒中のリスクが1.6倍増えることが分かった。全国の65歳以上の約2万人に調査票を送り、笑う頻度を「ほぼ毎日」「週に1〜5回」「月に1〜3回」「ほとんどない」の4段階での自己申告による調査票を分析した。「ほぼ毎日」を基準とした場合、「ほとんどない」人は、脳卒中にかかったことがあると答えた割合が1.6倍だった。「笑いが脳卒中や心疾患の発病を抑える可能性がある」と指摘している。