社会・経済ニュース
2016年03月29日号
日銀の発表によると、金融機関が日銀に持っている当座預金残高のうち、マイナス金利が適用される残高は23兆840億円であることが分かった。マイナス金利で金利を支払う預金残高で最も多い金融機関は信託銀行で、日銀に持つ預金残高の35%で金利負担をしており、次いでゆうちょ銀行が預金残高の14%で金利を支払っている。
厚生労働省の集計によると、2014年度にサービス残業として是正指導を受け、未払いの残業代を支給した従業員数は前年度比約8万人増の20万3507人に上ったことが分かった。支払われた未払い残業代は約142億円で、100万円以上を支払った企業は1329社となっている。サービス残業未払の具体的事例として、「残業代が一定額に決められ超過分が支払われない」「出勤・退勤時刻の15分未満の時間を切り捨てる」がみられた。
閣議決定された郵政民営化法の政令改正で、4月からのゆうちょ銀行の預入限度額がこれまでの1千万円から1300万円に引き上げられることになった。同時に、かんぽ生命の加入限度額も1300万円から2千万円に引き上げられる。過疎地での地域金融機関として機能する郵便局だけに自民党が今夏の参院選をにらんで限度額の引上げを求めていたものだが、地方銀行からは顧客を奪われることの警戒感が拡がっている。
文部科学省と厚生労働省の調査によると、今年3月に卒業する大学生の就職内定率は2月1日時点で前年同期比1.1ポイント増の87.8%に上ることが分かった。5年連続で上昇している背景について、文科省は「経済の好循環で企業の採用意欲は引き続き高い」と分析している。地域別で、最も高かったのは関東の91.8%で、逆に最も低かったのは中国・四国の80.1%だったが、いずれの地域でも前年を上回っている。また、高卒者の就職内定率は厚労省まとめで93.6%と6年連続の上昇となった。
電力広域的運営推進機関の発表で、4月の電力小売り全面自由化で新規参入の電力会社への切り替え準備を始めた家庭の契約は52万2700件に上ることが分かった。この件数は、同機関が契約切り替えに対応して、契約内容や過去の電力使用量といった情報を新電力会社に引き継ぐシステムを運用しており、家庭からの申し込みを受けた新電力が同機関に照会した件数を集計したもの。全国の家庭の総契約件数の0.6%で、さらに増えるとみられている。
日産自動車のカルロス・ゴーン社長がニューヨーク国際自動車ショーの会場でのインタビューで、高速道路に限定した自動運転機能を搭載した自動車を今年発売すると話した。搭載車はミニバン「セレナ」となる見通しである。児童運転機能搭載車は搭載したカメラやレーダーなどを駆使して道路の白線や前方車を検知しながら、ハンドル操作や加速・減速を自動で行うもので、世界初となり、同社では搭載車種を順次拡大するとともに、高速道だけでなく、市街地での自動運転機能の実用化も目指すとしている。
内閣府の世論調査によると、地域の公共サービスに「満足している」と答えた人は58.7%にとどまり、4割弱の人が「満足していない」「どちらともいえない」としていることが分かった。「満足していない」分野を尋ねると(複数回答)、「福祉・介護」(27.3%)が最多で、「健康・医療」(23.9%)、「子ども・子育て」(23.0%)が続いた。また、改革の必要性が高い分野は「介護」(59.7%)を最も多くが挙げた。
JR北海道が発表した北海道新幹線(新函館北斗―新青森)の開業初日となった3月26日の乗車率は約61%で、前年同期の在来線特急と比べて3.3倍増えていた。開業2日目の乗車率は約37%で、開業後9日間の平均の予約率は約24%となっている。同社では平日の乗車率を平均27%と推計しており、採算収支見通しは厳しく、同社では当面は年48億円の赤字を見込んでいる。販売企画や営業の強化が求められている。