社会・経済ニュース
2016年04月12日号
国際通貨基金(IMF)は、日銀のマイナス金利政策に対し、現時点で「支持する」との表明を発表した。その一方で、IMFは「マイナス金利の幅の拡大や長期化には限界がある」と警告を発しつつ、金融緩和に財政出動と構造改革を組み合わせることが重要だとの認識もアピールした。
日本自動車工業会が行った2015年度の乗用車市場動向調査によると、運転免許を持ち、車を保有していない10〜20代の社会人の59%が「車を購入する意向がない」ことが分かった。理由として、「買わなくても生活できる」「駐車場代などお金がかかる」「お金は車以外に使いたい」が挙げられた。また、69%が「車に関心がない」と答えた。他方、これから増やしていきたいものを尋ねたところ「貯蓄」が最多の50%を占めた。
内閣府の「社会意識に関する世論調査」結果によると、62.0%の人が「現在の社会に満足している」と答えていることが分かった。2009年以降で最もく、逆に「満足していない」との回答は前回より3ポイント低い37.2%だった。満足している理由(複数回答)で、「良質な生活環境が整っている」が最も多く、他方、満足していない理由では「経済的なゆとりと見通しが持てない」が最多だった。
厚生労働省の2015年度の介護職員の賃金調査結果によると、平均月給は前年実績より1.3万円多い28.7万円他でつた事が分かった。人手不足での人材確保を図るための賃上げが実施されたことと、月1.2万円の介護報酬の積み増しが行われたことで上昇したとみられる。ただ、介護施設内の8職種でみると、介護職員の賃金は、看護師(37.5万円)、生活相談員(32.1万円)、事務職(31.2万円)の上位には及ばない実態となっている。
参院本会議で改正特例公債法が可決した。この改正で、2016年度から20年度までの5年間は国会審議を経ないでも赤字国債が発行できることになる。この改正は、予算編成の審議と合わせて毎年赤字国債の発行に関する審議も行われてきたが、予算編成は成立するものの、衆参のねじれ現象で赤字国債の発行のための特例公債法の成立が遅れ、地方への予算配分や執行が遅れる事態も生じた経緯もあり、今後5年間は赤字国債の発行が可能となった。歳出の増加に歯止めが掛からないことの危惧がある。
消費者庁が初めて実施した名簿業者の実態調査結果によると、業者が取り扱う個人情報はサッシや電子データで保有されており、最大で3億人分の電子データを保有する業者もいることが分かった。主な入手先は古書店や廃棄物回収業者、個人などで、販売先は不動産業者、健康食品、化粧品、宝飾品、学習塾などが目立っていた。ほとんどの業者は新たな名簿の入手が困難になるとともに、情報の鮮度の維持が難しいこともあり、需要が減り、売上げも年々減少している。
厚生労働省の調査で、65歳以上の高齢者に占める要介護認定を受けた人の割合(要介護率)は全国平均で17.9%だった。都道府県別でみると、大阪が最も高い22.4%で、山梨が最も低い14.2%で、最大1.6倍の差になっている。要介護認定されていない人を含む65歳以上の高齢者1人当たりの介護費用は全国平均で27.4万円だった。同省では「各自治体でデータを分析して認定率や介護費用の適正化に活用して欲しい」としている。
東京地区私立大学教職員組合連合会の調査によると、首都圏の私立大に昨年度入学した下宿生への仕送り月額は平均で8万6700円となり、15年連続で減少していることが分かった。1994年度のピーク時には12万4900円だったが、3割以上も減っている。仕送り平均額から家賃平均額を差し引いた生活費を日額換算すると、1日当たりの生活費は850円で過去最低となった。同連合会では「保護者の年収が増えていないことに加え、消費税増税で生活費負担が増し、仕送りに影響している」とみている。