社会・経済ニュース
2016年04月26日号
政府がまとめた「ニッポン1億総活躍プラン」の原案によると、パートタイムなどの非正規社員の賃金を欧州並みに正社員の7〜8割まで早期に引き上げるとともに、高齢者雇用の促進を図るなどを骨子にしていることが分かった。「ニッポン1億総活躍プラン」はアベノミクスの新3本の矢である「GDP600兆円」「出生率1.8」「介護離職ゼロ」の実現を目指す経済対策の骨格となるもので、5月末に閣議決定し、参院選後の臨時国会に提出予定である。
最高裁の調べによると、認知症などで判断能力が不十分な人の財産を管理する成年後見制度で、昨年1年間に後見人を務めた弁護士や司法書士などの専門職による財産着服件数は37件で、被害総額が約1億1千万円に上り、件数では過去最悪となった。親族などを含めた後見人全体での不正件数は前年比37%減となり、2010年の調査開始以降で初めて前年を下回ったものの、弁護士等の専門職の不正が増えている。
財務省の3月の貿易統計によると、貿易黒字額は7550億円となり、前年同月比で約3.4倍に達していることが分かった。原油安による輸入額の減少(14.9%減)が背景にあり、輸出額自体では同6.8%減となっており、輸出で稼ぐ貿易黒字の実態には至ってはいない。熊本・大分での相次ぐ地震で自動車生産に影響も出ており、エコノミストは「輸出向けの生産が滞る可能性がある」とみている。
厚生労働省の発表によると、入居者に食事や家事、介護サービスを提供する有料老人ホームは老人福祉法に基づき自治体への届け出が義務付けられているが、無届けの老人ホームは2015年度に全国で1650施設あった。北海道は最多の523施設があり同地域での「高齢者下宿」が普及している実態がある。全国の無届け施設は届け出のある1万627施設の1割強を占めている。同省では自治体に指導監督の徹底を求める通知を出した。
日本政府観光局は2015年度訪日外国人数が前年度比45.6%増加の2135万人に達し、初めて2千万人を突破したと発表した。円安やビザ発給要件の緩和、格安航空会社を中心としたアジアでの国際航空路線の拡大などが訪日客数の増加に寄与した。政府は東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の目標を現在の2倍の4千万人に引き上げ修正している。
消防庁のまとめによると、昨年4月時点での大学生や専門学校生の消防団員数は集計を開始した2006年以降で最多の3017人となったことが分かった。全国の消防団員数は高齢化や人口減を背景に減少し続け、過去最少の約80万人となっているが、2005年に広報や啓発をなどに限定した仕事を行う機能別団員が創設され、負担を減らして18歳以上の団員が参加しやすくする狙いが奏功しての増員となっている。一定期間活動した証明書を発行する自治体もあり、就職活動でアピールできる点も学生の参加を後押ししている。
リクルートワークス研究所が行った来春卒業予定の大学生・大学院生の求人動向調査によると、民間企業の求人数は73万4300人で、前年比2.1%増となり、3年連続で増加していることが分かった。人手不足にあえぐ流通業や建設業を中心に企業の採用意欲が依然高いことがある。就職を目指す学生優位の「売り手市場」が続いていると同社は指摘している。
消費者庁が過去3年間に貸し切りバスなどを利用した人を対象にした意識調査によると、バス乗車時に常時シートベルトを着用しているは43%にとどまり、「場合によってはしている」(30%)、「ほとんどしていない」(15%)という着用実態だった。着用しなかった理由として「窮屈で面倒」が最も多く、「習慣化していない」が挙げられた。また、貸し切りバス事業者の安全性を評価する「セーフティバスマーク」制度とマークへの認知度は、74%が「知らない」としていた。