社会・経済ニュース
2016年06月14日号
6月10日の東京債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の利回りがマイナス0.155%となり、過去最低を更新した。英国の欧州連合(EU)からの離脱を国民に問う投票が行われる6月23日を前にして、世界中の投資家がリスク回避を図るため、比較的安全な資産である日米欧の国債が買われ始めていることが背景にあり、一段の金利低下に拍車がかかっている。
政府の地震調査委員会が発表した「平成28年版全国地震動予測地図」によると、30年以内に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率で最もかった都道府県庁地所在地では千葉市の85%だった。次いで、横浜市と水戸市が81%、高知市が73%、静岡市が68%だった。都心の東京都新宿区でも47%だった。今回発表された地震動予測地図では活断層の予測見直しが行われ、確率が最も上昇したのは安曇野市(長野県)で、糸魚川−静岡構造線断層帯の予測見直しで、10.4ポイント上昇となった。
世界貿易機関(WTO)の調べによると、2016年の物品の世界貿易見通しは数量ベースで前年比2.8%増となることが分かった。5年連続で3%を割り込む伸び率にとどまり、貿易の停滞が続いていることが明らかになり、一段と停滞が長引けば世界経済への下押し圧力が強まる危惧が指摘されている。停滞する背景には、不安定な国際金融市場の中で輸出入を控える動きが拡がっていることが挙げられている。
ふるさと納税ポータルサイトの「ふるさとチョイス」は2015年度ふるさと納税ランキングで宮崎県都城市が全国1位になったと発表した。金額と件数ともにトップで、返礼品で贈られる宮崎牛や霧島黒豚などの肉類に加え、焼酎が人気を集めたことがトップになった要因と同社では分析している。2位は、ウナギやマグロなどの水産物が人気を集めた焼津市(静岡県)、3位には特産品のサクランボが返礼品だった天童市(山形県)だった。
経済産業省が行った日本のIT人材不足の推計によると、現在の不足人数約17万人が、2020年には約37万人と2倍強の不足に陥ることが分かった。労働人口の減少に加え、IoT(モノのインターネット)や人工知能(AI)などによる社会のデジタル化によって需要が増加することが背景にある。同省では女性や外国人材などの活用とともに、業界の労働環境改善などの必要性を挙げている。
リクルートキャリアの発表によると、来春卒業予定の大学生や大学院生の採用活動解禁日の6月1日時点で52.4%に達していることが明らかになった。経団連が指針としている6月1日解禁が事実上破られていた実態が浮き彫りとなった。内定の内訳を見ると、文系の49%だったのに対し、理系は60.1%で、理系学生への早期に囲い込んでいる企業の姿勢が見られる。なお、同社調べでの解禁日以前の5月1日時点での内定率は25%だった。
国際シンクタンクの経済平和研究所が発表した2016年版世界平和度指数報告書によると、日本は163カ国・地域中で9位だった。平和度指数は、国内対立による犠牲者数、一定の人口当たりの殺人件数、GDPに占める軍事支出などの23項目を基にランク付けしたもの。同報告書では、「現実に紛争と無縁なのは、世界で日本など10カ国だけ」と指摘している。最下位は内戦が続くシリアだった。
厚生労働省は「2015年度労働紛争解決制度の施行状況」で、総合労働相談件数は8年連続で100万件を突破し、このうち、「いじめ・嫌がらせ」が過去最多の6万6566件に上ったと発表した。「いじめ・嫌がらせ」が労働相談の22.4%を占め、次いで「解雇」「自己都合退職」(いずれも12.7%)が続いた。相談者の就労形態では、「正社員」(37.8%)、「パート・アルバイト」(16.3%)、「期間契約社員」(10.5%)、「派遣労働者」(4.3%)の順だった。