社会・経済ニュース
2016年06月21日号
日銀の国債保有残高、過去最高の3割超
日銀が発表した1〜3月期の資金循環統計で、2016年3月末時点で日銀が保有する国債等残高は前年比32.7%増の364兆円に上り、国際残高全体に占める割合は過去最高の33.9%となった。大規模な金融緩和政策で2013年4月以降、大量の国債を市場から買取りを続けてきたことによるもので、国債利回りが急低下するなど相場が変動しやすくなってきている。

ふるさと納税、寄付額の4割を返礼費に
総務省が全国の自治体から2015年度に受け取った寄付額と返礼品の費用を聞き取り調査したところ、寄付額が全国計で1652億円だったが、その「返礼品の調達費」は632億円、「返礼品の送付費」に42億円掛かっている実態が明らかになった。返礼費が寄付額の約4割近くを占めていた。寄付額が42億円と全国で最高だった都城市(宮崎県)では返礼経費が31億円で、寄付額の7割以上を返礼に充てていた。同省では高額な返礼品や経費の掛かり過ぎを自粛するよう要請している。

家計金融資産は5年9カ月ぶりに減少へ
日銀の1〜3月期の資金循環統計によると、家計が保有する金融資産の残高は3月末時点で1706兆円となり、2010年6月末以来、減少に転じたことが明らかになった。内訳を見ると、現金・預金が1.3%増の894兆円、保険・年金が0.2%増の509兆円とそれぞれ微増となった。一方、民間企業の現・預金残高は8.4%増の261兆円で過去最大だった。

JTB、793万人分の個人情報が流出
JTBは同社の子会社のサーバに不正アクセスがあり、「標的型メール」感染で、約793万人分の個人情報が流出した可能性があると発表した。JTB商品を予約したユーザーの個人情報で、流出した情報は氏名・性別・生年月日・メールアドレス・住所・郵便番号・電話番号・パーポート番号・パスポート取得日で、クレジットカード番号や銀行口座情報などは含まれていていないとしている。このうち、インバウンド向け旅行サイトの利用者である外国人約70万人分の情報も含まれているとしている。

景況感、2期連続でマイナスに
財務省と内閣府が発表した4〜6月期の法人企業景気予測によると、「上昇」と答えた企業の割合から「下降」の割合を差し引いた景況判断指数(BSI)は、大企業でマイナス7.9、中堅企業でマイナス7.0、中小企業でマイナス16.9と軒並み悪化している実態にあることが分かった。大企業での先行きについては、7〜9月期がプラス5.8、10〜12月期がプラス7.4と浮上を見込んでおり、財務省では「足元で慎重さがみられるが、緩やかな回復基調にある」としている。

初めて不当解雇の解決金の相場を提示
厚生労働省の有識者検討会が公表した不当解雇の金銭解決の分析結果によると、労働審判で企業による解雇が無効と想定される場合に企業が支払う解決金は月収の0.84倍に勤続年数を乗じた金額になっている実態が明らかになった。これまで明らかになっていなかった不当解雇の金銭解決についての水準や基準といった「相場」の内容が示されたのは初めてである。企業による解雇が有効と想定された場合の解決金は勤続年数とは無関係で2.3カ月分程度だった。

女性社長、最多の33万人に
東京商工リサーチの調べによると、女性社長は33万2466人となり、調査開始の2010年以降で最多となった。5年間で1.6倍の増加で、同社では、サービス業など小資本でも起業が容易な業種が目立ったとしている。女性社長率は前年比0.3ポイント上昇の11.8%で、女性社長率の上位20位のうち西日本が15府県を占め、「西高東低」の傾向がみられた。女性社長の名前1位は「和子」で、「洋子」「幸子」が続いた。

認知症不明者、3年連続で1万人台に
警察庁の発表によると、認知症やその疑いで行方不明になったとして全国の警察署に届けがあったのは昨年1年間で1万2208人となり、3年連続で1万人台水準にあることが分かった。昨年中に所在が確認されたのは2014年以前の届け出分も含め1万2121人で、死亡が判明した人も479人で過去最高だった。厚労省の推計では、認知症の人は2012年の約462万人から2025年には約700万人に増えるとしており、不明者が増加する要因がある。