社会・経済ニュース
2016年07月26日号
貿易収支、5年半ぶりに黒字に
財務省は、2016年上半期(1〜6月)の貿易収支は1兆8142億円の黒字になったと発表した。半期分で貿易収支が黒字になったのは、2010年下半期以来5年半ぶりで、東日本大震災以後では初めて。震災以後、原発停止で火力発電燃料の輸入増加があり、赤字が続いてきたが、原油安が影響し、輸入額が減少したことが背景にある。輸出額は前年同期比8.7%減の34兆5183億円、輸入額は同17.2%減の32兆7041億円だった。

コンビニ払い詐欺に注意喚起
国民生活センターでは、被害相談が年間8万件にまで急増している「コンビニ払い詐欺」に対する注意喚起をしている。コンビニ払い詐欺とは、コンビニエンスストアが料金収納を代行することを悪用した詐欺で、被害者のスマートフォンやパソコンに電話やメールで有料サイトの料金を支払うよう連絡し、架空の料金を請求を行い、コンビニの支払いでの「支払い番号」を通知するもの。同センターでは、「被害者であっても、支払い自体は通常の取引として扱われるため、被害の回復は難しい」としている。

金利低下で旺盛な個人向け資金需要
日銀の7月の「主要銀行貸出し動向アンケート」によると、個人向け資金需要判断指数(DI)は前回調査の4月時点から5ポイント改善のプラス14となり、個人向け資金需要が増加していることが分かった。貸出金利の低下が個人向けの資金需要を押し上げ、住宅ローンの借り換えを中心に需要が増加したとみられる。

2016年、新規がん患者は100万人超に
国立がん研究センターの予測によると、2016年に新たにがんと診断される患者は101万200人となり、がんで死亡する人は37万4千人になることが分かった。がんの新規患者が100万人を超えるのは初めてで、背景に高齢者の増加に伴って、発症する人が増えるとみている。新規がん予測を部位別にみると、大腸がん、胃がん、肺がん、前立腺がん、乳がんと続いている。男女別にみると、男性が約57万人だったのに対し、女性は約43万人となっている。

訪日客、最多ペースも1人当たり消費は減
観光庁の発表によると、今年上半期に日本を訪れた外国人旅行者は前年同期比28.2%増の1171万人となり、過去最多ペースで増加している実態が分かった。4〜6月の訪日客の消費額は前年同期比7.2%増の9533億円だったが、1人当たりの消費額に換算すると、同9.9%減の15万9930円だった。消費額の減少の背景には、急激な円高があり、中国の1人当たり消費額がマイナス22.9%と、「爆買い」に陰りが出ていると指摘されている。

軽四輪車の普及台数、過去最高に
全国軽自動車協会連合会の発表によると、昨年12月末時点での軽四輪車の普及台数は、100世帯当たり54.3台となり、過去最高を更新したことが分かった。総務省の住民基本台帳世帯数と国土交通省の自動車保有車両数を算出したもの。軽四輪の普及台数は、1977年に100世帯当たり15.9台だったが、2011年に50台を突破し、最高を更新してきている。地域別では佐賀、鳥取、長野などで多いが、一方、東京、神奈川、大阪などが少なくなっている。

上半期の平均気温、1880年以降で最高
米航空宇宙局(NASA)の発表によると、今年上半期(1〜6月)の世界の平均気温は観測記録が残る1880年以降で最高となったことが分かった。また、米海洋大気局(NOAA)は6月の世界の平均気温は過去137年で最も高くなり、14カ月連続で過去最高を更新していると発表した。NASAは、人間活動に伴って排出される二酸化炭素(CO2)などの温室ガスが気温上昇や海氷縮小が長期的に続く原因になっていると指摘した。

仕事する母親、過去最高の68%に
厚生労働省の2015年国民基礎調査によると、18歳未満の子どもがいて、仕事をしている母親の割合は過去最高の68.1%に上ることが分かった。母親のうち、37.2%が「非正規の職員・従業員」で最も多く、「仕事なし」が31.9%、「正規職員・従業員」が22.4%で続いた。非正規の母親は、一番下の子どもが0歳で10.9%だったが、子ども15〜17歳では46.7%となり、子どもの年令が上がるほど増える傾向があった。