社会・経済ニュース
2016年08月02日号
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の発表によると、2015年度の公的年金の運用損益は5兆3098億円の赤字に陥ったことが明らかになった。5年ぶりの赤字で、2014年に株式への投資比率を引き上げたことにより、国内外の株価の下落や円高の進行が影響した。運用損益の資産別内訳は、国内株が3兆4895億円の赤字、外国株が3兆2451億円の赤字、外国債券が6600億円の赤字、国内債券は2兆94億円の黒字だった。
日本たばこ産業の「平成28年全国たばこ喫煙者率調査」によると、男女を合わせた喫煙者率は過去最低を更新する19.3%に低下していることが分かった。また、20歳以上の成人男性の喫煙者率も29.7%となり、調査開始の昭和40年以降で初めて30%を割り込んでいることも明らかになった。同社では、「高齢化の進展や健康意識の高まり、さらには規制強化による喫煙場所の減少や4月の一部銘柄での値上げ」が響き、たばこ離れが進んでいることを指摘している。
政府の税制改正案によると、消費税増税と軽減税率の導入を2019年10月からとし、軽減税率で正確な仕入れ税額控除を図るための書類「インボイス(税額表)」の採用は、さらに2年半先送りの2023年10月からとしている。また、税制改正案では、増税の負担を軽減する住宅ローン減税の適用期限は2019年4月〜20年3月に、自動車購入時にかかる新課税制度開始も2019年10月に、それぞれ2年半遅らせるとしている。
警察庁は全国の警察が今年上半期(1〜6月)に認知した刑法犯は戦後過去最少だった前年同期を9.3%下回る48万8900件だったと発表した。窃盗が減少分の約8割を占めており、同庁では防犯ボランティアや防犯カメラの整備が奏功しているとみている。ただ、凶悪犯や窃盗犯が減る一方、知能犯だけが前年同期比1061件多い2万1747件に上り、他人の情報でクレジットカードをつくるなどの偽造の増加が目立ったとしている。
内閣府の発表によると、日本が原発の使用済み核燃料の再処理で取り出し、国内外に保有する分離プルトニウムの総量は、2015年末時点で47.9トンだったことが分かった。保有するプルトニウムの内訳は国内保管分が約10.8トン、海外保管分が約37.1トン(再処理委託の英国で約20.9トン、フランスで約16.2トン)だった。高速増殖炉「もんじゅ」の開発の行き詰まりから日本のプルトニウム消費は進んでいない。
明治安田生命が行なった夏休みに関する調査結果によると、夏休みでレジャーなどに使う平均予算は、前年比4964円少ない8万4332円となり、4年ぶりに前年を割り込んでいることが分かった。同社では「財布のひもが固くなっている」と指摘。夏休みの過ごし方では(複数回答)、「自宅でゆっくり」(68.9%)が最多で、「国内旅行」(32.2%)、「帰省」(28.1%)が続いた。また、帰省する際の土産代についても、前年を1277円下回る8258円だった。
厚生労働省は6月の有効求人倍率は前月比0.01ポイント上昇し1.37倍になったと発表した。ハローワークに申し込んだ求職者1人当たりの求人数を表す求人倍率は4カ月連続で改善してきており、他方、完全失業率も前月比0.1ポイント低下の3.1%となり、3か月ぶりに改善している。正社員の求人倍率も、集計開始した2004年11月以降で最高となる0.88倍だった。
大阪大チームが米医学電子版に発表したデータ解析によると、テレビを同じ姿勢で長時間見た場合、静脈塞栓症(エコノミークラス症候群)で死亡するリスクが増加することが報告された。1988〜90年に全国の約8万6千人(40〜79歳)に1日の平均テレビ視聴時間を尋ねたアンケートと、その後の死亡状況のデータを解析したもので、5時間以上視聴の人の死亡リスクは2時間半未満の2.5倍で、2時間半〜5時間未満だと1.7倍だった。意識して動くことや脚のマッサージ、水分摂取を勧めている。