社会・経済ニュース
2016年11月22日号
参院本会議で、消費税率10%への増税を延期する法案が成立し、2019年10月から10%へ引き上げられることになった。今回の法案成立によって、低所得者対策としての酒類・外食を除く飲食料品や新聞に適用される軽減税率の導入も2年半延期されることとなり、自動車購入時にかかる自動車取得税廃止も先送りされることが決まった。消費税率引き上げは、2015年10月から2017年4月に延期され、今回で2度の先送りとなった。
東京証券取引所などに上場する地方銀行83社の2016年9月中間決算で、55社で純利益が減少していることが明らかになった。2017年3月通期見込みでも8割超の地銀が前期比で減益になるとの見通しにある。エコノミストは「人口減少が激しい地域で業績が落ち込んでいる」ことを指摘している。また、金融庁では「銀行の不良債権処理にめどがつき、持続可能なビジネスモデルに転換する必要がある」としており、人口減に左右されずに収益を上げられる地銀への脱皮が求められている。
日銀の発表によると、2016年度上半期(4〜9月)における銀行や信用金庫の不動産業向けの新規融資額は前年同期比14.7%増の7兆706億円になり、上半期としてはバブル期を含め2年連続で過去最高を更新したことが分かった。マイナス金利での不動産関連企業の借り入れが増加するとともに、節税目的での賃貸住宅を建設する個人への貸出が増えており、金融機関にとって有望な貸出先になっている。ただ、バブル発生を危惧する声も出ている。
厚生労働省の2015年国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間は男女とも「6時間以上7時間未満」が最も多かったが、「6時間未満」も39.5%と2007年(28.4%)から増え続けている実態が明らかになった。睡眠時間が十分に取れない理由として、男性は「仕事」「健康状態」、女性は「家事」「仕事」を挙げ、仕事や家事が睡眠を妨げている実情を浮き彫りにしている。
衆院財務金融委員会で、金融機関に10年以上出し入れがない「休眠預金」を民間の公益活動を支える財源とする休眠預金法案が与野党の賛成多数で可決され、今国会での成立する見通しが確実視されている。金融機関では毎年1千億円程度の休眠預金が発生するとみられ、このうち預金者からの請求で払い戻しが行われるものの、それらを差し引いた500〜600億円が民間の公益活動に活用できるとしている。委員会採決では、民間団体活動の使徒内容の把握し情報公開に努めるとの付帯決議もされた。
厚生労働省の初任給に関する2016年賃金構造基本統計調査によると、大卒女性の初任給が20万円ちょうどとなり、調査を開始した1976年以来で初めて20万円台になったことが分かった。また、学歴別初任給は、大学院修士課程修了が23万1400円、大卒が20万3400円、高専・短大卒が17万6900円、高卒が16万1300円となっているが、全ての学歴で3年連続増加となった。都道府県別で大卒女性が20万円を超えたのは、東京、栃木、神奈川、埼玉、千葉、愛知の順となっている。
参院本会議で、改正出入国管理及び難民認定法(入管法)と外国人技能実習適正化法が成立し、1年以内に外国人が介護福祉士として就労することを全面解禁するとともに、介護現場に技能実習生の受け入れが可能となった。介護人材の不足を補うための措置で、これまで、経済連携協定(EPA)締結のベトナム、フィリピン、インドネシアの3カ国に限定してきたものを今回の改正で全ての国の人に機会を与えることになった。外国人技能実習制度はこれまで、脳器用、製造業、建設業に限定してきたが、介護分野にも広げることになった。
明示安田生命保険が11月22日の「いい夫婦の日」に因むアンケート調査によると、結婚している人の「へそくり」の平均額は前年比23万円増の116万6002円だったことが分かった。夫の「へそくり」は平均85万9888円、妻は147万1737円で、ともに前年より20万円以上を増えていた。50代までの層に限定してみると、結婚している人の平均は調査開始の2006年以降で最高の89万8495円だった。同社では、夫婦の「へそくり」が増えていることに関し、「女性の就業が増え、世帯ベースの所得が伸びたためではないか」とみている。