社会・経済ニュース
2017年02月28日号
2月27日、2017年度予算案が衆院本会議で可決され、衆院優越規程により参院での議決がなくても年度内成立が確定したことになる。一般会計総額は過去最大を更新する97兆4547億円。高齢化を背景にした社会保障費が膨らみ、5年連続で過去最大を更新している。税収は57兆7120億円と歳入の6割弱にとどまり、新規国債発行額は前年度を下回る34兆3698億円となったものの歳入全体の35%を超えており、依然、借金に依存する財政実情にある。
厚生労働省の2016年賃金構造統計調査によると、短時間労働者以外の一般労働者(非正規含む)の平均賃金は前年と同額の30万4000円となったことが分かった。女性賃金平均は24万4600円で過去最高となった。男性を100とした賃金格差は、73.0となり、過去最少(前年72.2)となった。また、役職者の女性割合は9.3%で、過去最高となった。内訳をみると、部長級が6.6%、課長級が10.3%で、国の男女共同参画基本計画の目標には届いていない。
帝国データバンクが行なった「企業の人手不足に関する調査」によると、企業の43.9%が「正社員が不足している」ことが分かった。過去10年間で最多となり、前年より6.0ポイント増え、企業での正社員不足感が広がってきている。業種別にみると、最も多かったのは「放送」の73.3%で、「情報サービス」(65.6%)、「メンテナンス・警備・検査」(62.9%)、「人材派遣・紹介」(60.8%)、「建設」(60.1%)が続いた。正社員不足で、受注機会の喪失を危惧する声もある。
総務省が自治体から出資や財政支援を受けている第3セクターや公社、地方独立行政法人の経営状況を調査したところ、2016年3月末時点での経常収支が黒字となっていたのは、全体の64.5%に上っていることが分かった。業務分野ごとに黒字法人の割合が高かったのは、「情報処理」の90.6%で、「住宅・都市サービス」の76.7%、「観光・レジャー」の68.4%が続いている。総務省では「不採算性のある事業の整理が進んでいる」と見ているとともに、「出資自治体への財政悪化要因にもなりかねないとして、引き続き経営の合理化を求めていく」としている。
国土交通省は三大都市圏と主要地方都市の四半期ごとの地価動向(1月1日時点)で、商業地と住宅地の計100地点のうち84地点で地価が上昇したと発表した。地価上昇地点は前回(昨年10月1日時点)と比べ2地点増えている。同省では「緩やかな上昇基調が続いている」としており、事実、横ばいは16地点で、下落は10四半期連続でゼロとなっている。上昇している84地点のうち、上昇率が「3〜6%」が12で、「0〜3%」が72となっていた。
電通は2016年の国内の総広告費は前年比1.9%増の6兆2880億円になったと発表した。5年連続で前年を上回っている。媒体別広告費をみると、地上波と衛星放送を合わせたテレビ広告が1.7%増の1兆9657億円首位で、インターネット広告が13.0%増の1兆3100億円、新聞広告が4.4%減の5431億円、雑誌広告が9.0%減の2223億円、ラジオ広告が2.5%増の1285億円だった。ネット広告急増の背景にはスマホ普及があり、広告費全体を押し上げている。
世界保健機構(WHO)の発表によると、世界で「うつ病」に苦しむ人は2015年の推計で3億2200万人に上ることが分かった。この10年間で約18%増加しており、世界的に拡大しており、早急な対策が必要だと指摘している。WHOでの分析発表によると、うつ病は男性より女性に多く見られ、年齢別にみると、55〜74歳の発症率が高いとしている。また、15〜29歳の若年層の死因の2番目にうつ病が挙げられ、自殺抑止のうえからも、治療への取組みの必要性をアピールしている。
ローソンの発表によると、60歳以上のアルバイト店員がこの4年間で67.9%増得ていることが分かった。ローソン店舗で働く60歳以上の店員は昨年11月末時点で約7100人に上り、全体に占める割合も過去4年間で2.8%から4.7%まで上昇しており、募集で思うように若者が集まりづらい状況の中で、元気で勤勉なシニアの応募が増えてきているという。人手不足感が強いコンビニにとってシニアは支え手としての存在感を増しつつある。