社会・経済ニュース
2017年03月21日号
政府は、マイナンバーカードを使用してのオンライン申請など可能となる個人向けサイト「マイナポータル」の運用について、今秋に延期する方針であることが明らかになった。当初、1月からの運用を7月からに延期したことを経て、さらに再延期することになる。カード発行がシステム障害で滞った経緯があったこともあり、万全を期す考えがある。利便性向上と透明性を理念としたマイナンバー制度だが、まだ順調な軌道にあるとは言い難い実態にある。
人材サービスのエン・ジャパンが従業員500人以下の中小企業の残業時間に関する調査を行なったところ、1カ月の平均残業時間が「1〜20時間」とする企業が47%を占め、最も多かったことが分かった。残業が発生する理由を尋ねたところ(複数回答)、最多は「取引先からの要望に応えるため」(51%)で、以下、「常に仕事量が多いため」(40%)、「人員不足のため」(34%)、「時期的な業務があるため」(32%)が続いた。
日銀の2016年10〜12月期の資金循環統計によると、2016年末時点での個人が保有する金融資産の残高は前年比0.9%増の1800兆円に上ることが明らかになった。過去最高だった2015年末の1783兆円を上回り、最高を更新した。内訳を見ると、現金・預金が1.8%増の937兆円、保険が1.5%増の370兆円、株式・出資金は0.4%減の167兆円となっている。現・預金の増加は40四半期連続で、所得が消費に回らずに、貯蓄へ回す実態を浮き彫りにしている。
厚生労働省と文部科学省が発表した2017年3月卒業予定の大学生の就職内定率は90.6%で、6年連続で上昇し、過去最高を更新していることが分かった。厚労省では「景気回復を背景に企業の採用意欲が強い」と指摘している。事実、時事通信社が主要100社を対象に2018年春の新卒採用調査でも、7割超の企業が「2017年春と比べ、増やすか同じ水準を確保する」と答えており、依然、就活学生にとって有利な「売り手市場」が続く見通しにある。
電気事業連合会の資料によると、電気利用金を値上げした電力7社と契約している平均的な家庭モデル、2011年3月と2016年3月を比較すると、12〜24%上昇していることが分かった。電気料金が上昇した背景には、福島第1原発事故後の値上げや再生可能エネルギー発電促進賦課金、地球温暖化対策税の導入がある。最も電気料金が上昇したのは、北海道電力での平均家庭モデルの24.3%で、東京電力(17.0%)、東北電力(15.3%)、九州電力(12.9%)が続いた。
潟}ーシュがコンビニエンスストアの利用意識に関する調査結果によると、朝の出勤時でのコンビニ利用頻度を尋ねたところ、「週1〜2日程度」が最多の16.0%で、「ほぼ毎日」(15.7%)、「週3〜4日程度」(14.3%)が続いた。朝のコンビニ立ち寄り理由(複数回答)では「ペットボトル飲料の購入」が最多の46.7%で、「おにぎり購入」(34.6%)、「サンドウィッチなど軽食の購入」(32.4%)、「パック飲料の購入」(27.5%)が続いた。
厚生労働省の労働経済動向調査によると、1月末までの1年間に非正規労働者を正社員に転換した民間事業所は過去最高の50%だったことが分かった。産業別にみると、医療・福祉が65%で最高だったのに続き、生活関連・娯楽業が64%だった。今後の方針で、正社員に転換した実績のある事業所の69%で「正社員に登用したい」としている一方、実績のなかった事業所では31%にとどまっていた。正社員への転換が進む背景について、同省では「人手不足で企業が人材確保しようと取り組んでいる」とみている。
警察庁のまとめによると、全国の暴力団構成員数は2016年末時点で前年比1割減の約1万8100人になっていることが分かった。ピークだった1963年の18万人から減少が続き、1割台にまで減少し、初めて2万人を割り込んでいる。同庁では、「利益供与を禁じた暴力団排除条例が2011年まで全国で施行された影響は大きく、資金獲得が苦しくなっている」と、構成員数の減少要因を分析している。