社会・経済ニュース
2017年05月09日号
米国の対日赤字、55%増の8200億円
米商務省の発表によると、3月のモノの貿易収支で、日本に対する赤字は72億4千万ドル(約8200億円)だったことが明らかになった。前月比55.0%の増加で、自動車や同部品の輸入が増えたことが背景にある。国別赤字額の最多となった相手国は中国で、対中赤字額は前月比7.0%増の245億7900万ドルとなり、米国の貿易赤字の4割強を占めている。米新政権は公正な貿易を掲げており、今後、中国や日本へ貿易赤字削減に向けた交渉が加速するとみられる。

来春卒の大卒求人数、4年連続増加
リクルートワークス研究所は来春卒業予定の大学生・大学院生の求人動向調査で、企業の求人数は前年比2.8%増の75万5100人で、4年連続で増加していると発表した。求人数を業種別にみると、建設業が7.3%増、流通業が3.1%増、金融業が1.9%増となっている。規模別にみると、従業員数が5千人以上の大企業の求人は1.0%減少し、1千人以上5千人未満の中堅企業は4.8%増、300人未満の中小企業は3.9%増となっている。

外資が取得した北海道内の森林は5倍に
北海道の発表によると、2016年に海外資本が取得した北海道内の森林は509ヘクタールに上ったことが分かった。前年比約5倍で、東京ドーム約108個分が外資に渡ったことになる。取得件数では、前年比約3倍の30件で、倶知安町が11件、ニセコ町が10件などとなっている。取得した面積で最も大きかったのは、シンガポール企業の赤井川村に取得した221ヘクタールだった。水源地を保護することを目的に買い主に報告を義務付けた「水資源保全地域」に該当するものはなかった。

20代医師、男女とも週50時間超の勤務
厚生労働省研究班が全国約1万2千の医療機関に勤務する医師約10万人を対象にした調査によると、20代の勤務医の1週間の平均勤務時間は、男性が57.3時間、女性が53.5時間で、男女ともに50時間を超えている実態にあることが分かった。男女ともに年代が上がるにつれ、勤務時間は減る傾向があるが、年代に関わらず週60時間を超える勤務医は、男性が27.7%、女性が17.3%に上っている。同省では「若手を中心とする勤務医の過酷な長時間労働の実態が示された」と指摘している。

有効求人倍率、26年4カ月ぶりの高水準
厚生労働省は3月の有効求人倍率が1.45倍となり、1990年11月以来26年4カ月ぶりの高水準にあると発表した。バブル経済の1990年度の1.43倍を超えており、人手不足感が一段と高まっている状況が浮き彫りとなっている。3月の新規求人数の伸び率の高い業種は、運輸・郵便業(前年同期比12.2%増)を筆頭に、建設業(同11.7%増)、製造業(11.0%増)となっている。

子ども人口、36年連続減少の1571万人
総務省は4月1日時点での外国人を含む14歳以下の子どもの数は前年を17万人少ない1571万人となったと発表した。36年続で減少し、総人口に占める割合も12.4%となり43年連続で低下している。子どもがピークだった1954年の2989万人の半分近くにまで減ってきている。3歳ごとの年齢階層で見ると、12〜14歳が335万人だったのに対し、0〜2歳は294万人で、低年齢ほど人数が少なくなっている。人口4千万人の主要31カ国のうち、日本の子どもの割合は最も低くなっている。

東海沖で、4年ぶりに海底メタンを産出
経済産業省は、愛知・三重県沖で行っている実験で、4年ぶりにメタンハイドレートを産出したと発表した。メタンハイドレートは、高圧・低温状態で天然ガスの主成分であるメタンと水とが結合した物質で、燃えるミスともよばれ、次世代エネルギー資源として期待されている。4年前に同海域で、世界で初めて産出に成功したものの、設備トラブルから6日間で生産が中止されたが、今回は3〜4週間の継続を目指すとしている。日本近海には世界有数の埋蔵量があるとされ、次世代資源の期待が高まっている。

新入社員が望む理想上司は「相談タイプ」
人材育成会社のトーマツイノベーションが同社で研修を担当した企業の新入社員を対象に理想の上司を尋ねたところ(2つまで選択回答)、最多は「プライベートの相談に乗ってくれる」(38.7%)だった。次いで、「優しく指導する」(36.4%)、「専門性が高い」(32.3%)が続いた。「厳しく指導する」は20.5%でソフト志向を望む姿がみられた。3年前に46.1%で最多だった「リーダーシップがある」は35.9%で、3年連続で減少し、新入社員が望む上司タイプが変化していることを覗かせた。