社会・経済ニュース
2017年08月22日号
内閣府は2017年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報値が実質前期比1.0%増となり、年率換算で4.0%増となったと発表した。11年ぶりに、6四半期連続でプラス成長となった。項目別にみると、個人消費が自動車や家電の買い替え購入や外食支出の増加を背景に前期比0.9%増となり、企業の設備投資も人手不足解消への対応を狙った自動化投資が増えたものとみられ、2.4%増となった。これに公共投資(5.1%増)、住宅投資(1.5%増)も寄与したが、輸出は0.5%減となった。
日本自動車工業会(自工会)の発表によると、2016年のバイクの販売台数は33万8000台となり、ピークだった1982年(328万5000台)の1割ほどにまで縮小していることが分かった。低価格で維持費も安い軽自動車や女性にも人気のある電動アシスト自転車の購入が増え、バイク販売が振るわなかったことが背景にある。とくに、身近な移動手段だった原付バイクの販売が不振だった。
SMBC日興証券が東証1部上場の3月期決算企業の4〜6月期決算を集計したところ、純利益合計額が前年同期比26.7%増の9兆240億円となり、これまで最高となった2015年4〜6月を上回り、過去最高を更新したことが分かった。国内外の景気拡大や円安ドル高を背景に自動車などの主要製造業が大きく業績を伸ばしていることを浮き彫りにした。2018年3月期決算では前期比5.0%増となる見通しで、1年の通期でも過去最高を更新するものと見られている。
気象庁の統計によると、1時間に50ミリ以上の大雨(非常に激しい雨)が降る頻度が1970〜80年代と比べ、3割以上増加していることが分かった。降水量が1時間に50ミリ以上だった回数はアメダス1千地点あたり、1976〜85年の10年間に年110〜230回で、平均173.8回だったが、2007〜16年には年169〜282回で、平均232.1回となり、33.5%増加していた。
日銀のまとめによると、2017年3月末時点でゆうちょ銀行を除く全国の銀行預金合計は前年同月比6.2%増加の745兆2958億円となったことが分かった。都道府県別にみると、東京が12.7%増の254兆4496億円となり、預金額全体に占める割合も34.1%となっている。45道府県は全国平均を下回っており、東京に預金が集中している実態が明らかとなった。大都市圏への人口移動に加え、地方にいる親の遺産を相続した子どもが東京に預金を移すケースが多いことが主な要因だとしている。
厚生労働省は2016年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は12万2578件となり、統計開始の1990年度以降26年連続で過去最多を更新したと発表した。最高を更新した背景には、子どもの目の前で親が配偶者に暴力をふるう「面前DV」を警察が積極的に児童相談所に通告するようになったことや、社会の意識の高まりで住民の通告が増加したことが挙げられている。虐待の種類別では、面前DVを含む「心理的虐待」が最多で、「身体的虐待」や食事などを与えないといった「ネグレクト(育児放棄)」が続いた。
厚生労働省の発表によると、最低賃金の2017年度の最低賃金の都道府県ごとの改定額の決定を集計したところ、全国平均の時給は昨年度比25円増の848円となったことが分かった。最は、東京都の958円で1千円台に迫る額となり、最低は高知県など8県の737円で、格差額は221円となり、これまでよりも3円広がった。改定後は、900円台は3都府県、800円台が12道府県、700円台は32県となった。新しい最低賃金は9月末から10月中旬にかけて、順次、都道府県ごとに適用される。
ライフネット生命がNPO法人キャンサーネットジャパンの協力を得て行なった調査によると、働いている時にがんになった人の56%が平均年収は415万円から332万円へと2割減少していることが分かった。年収が減少した理由を尋ねたところ(複数回答)、「休職」が最多の35%で、「業務量を抑えた」(33%)、「退職」(25%)が続いた。経済面で困ったことでは(複数回答)、「医療費」(53%)が最多で、「家賃・ローン」と「子どもの教育費」がそれぞれ25%だった。