社会・経済ニュース
2017年09月26日号
個人金融資産、最高の1832兆円に
日銀が発表した資金循環統計によると、個人(家計部門)が保有する金融資産は6月末時点で1832兆円に上ったことが分かった。前年同月比4.4%増加し、過去最高を更新。内訳で見ると、現金・預金が2.6%増の945兆円、株式・出資金が同22.5%増の191兆円、投資信託が同15.6%増の100兆円となっている。一方、企業の金融資産(金融機関を除く)も過去最高の1166兆円だった。さらに、日銀が保有する国債の保有残高はどう9.9%増の437兆円となり、国債残高全体の40.3%を占め、保有割合と金額のいずれも過去最高となった。

金密輸による消費税脱税額は過去最高
経産省と警察庁、財務省が地金業者を対象にした説明会で財務省が配布した資料によると、平成27事務年度(平成27年7月〜28年6月)の金地金の密輸摘発の処分件数は294件に上り、脱税額は過去最高の約6億1000万円に上ることが明らかになった。平成26年に消費税率が8%に引き上げられたのを契機に、消費税がかからない海外で購入した金地金を輸入申告せずに国内で売却することで消費税分が利益となることが背景にある。

2兆円規模の「人づくり革命」政策に対応
安倍首相は経済財政諮問会議で2兆円規模の「人づくり革命」対策を推進していく方針を表明した。人づくり革命の具体策として、高等教育での給付型奨学金や授業料減免の拡充、幼児教育の無償化、介護人材の処遇改善などに取り組むとしている。対策財源として2019年10月に予定されている消費税率引き上げ分を活用する考えを示した。これまで、消費税率を10%引上げ時には、約2割を社会保障、残りの約8割を借金返済に充てることになっているが、今回の方針で財政再建が遠のく危惧が拡がっている。

厚生年金保険料率、段階引上げが終了
厚生年金の保険料率が今月の給与支給分(10月納付分)から18.3%に引き上げられた。保険料率は2004年の年金改革で決定し、それまでの13.58%から毎年0.354%(今年は0.118%)引き上げられてきたが、今回の改訂で上限としてきた18.3%で引き上げは終了し、今後の保険料率は固定されたことになる。2004年の改革で現役世代の負担が重くならないようにと上限が設定され、14年に亘って段階的な引き上げが行なわれてきていた。

S&P、中国国債を上から5番目に格下げ
米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は、中国の国債を債務リスクの拡大を懸念し、これまでの「AA−」から「A+」に1段階引き下げた。これで中国の国債格付けは上から5番目となる。格下げ理由に、中国では企業を含む債務の高い伸びがみられ、債務の拡大で金融リスクが増加していくとの見解を示した。実際、公共投資を発注する地方政府の債務は拡大してきているとともに、企業も巨額借り入れを投機に回している実情がある。

糖尿病が疑われる成人、初の1千万人に
厚生労働省の国民健康・栄養調査で糖尿病が強く疑われる成人男女は、推計で初めて1千万人に上ったことが分かった。患者が増加していることに関して同省では「糖尿病になる高齢者が増えていることが影響している」と指摘している。他方、糖尿病の疑いが否定できない人とされる予備軍は100万人減少の約1千万人となり、「メタボリック症候群への対策が進んだため」と分析している同省は「食事や運動など生活改善に取り組んで欲しい」と呼び掛けている。

世界の海外旅行者数は過去最高を記録
国連世界観光機関(UNWTO)は2017年上半期(1〜6月)の累計海外旅行者数は前年比約6%増の5億9800万人となり、2010年上半期以降で最高となったと発表した。地域別の伸び率でみると、中東が前年比9%増と伸び率の最高となり、欧州(8%増)、アフリカ(8%増)、アジア太平洋地域(6%増)、米州(3%増)が続いた。一方、日本政府の観光庁は2017年に訪日した外国人旅行者は9月15日時点での推計で2千万人を突破し、過去最速でのペースで増加していると発表した。

夫の収入増加が最高も、妻は不満足
ベルメゾン生活スタイル研究所が30〜50代の女性を対象にした半年に1度の「女性の生活意識調査」によると、配偶者の給料が「増えた」と答えた人は30.6%で、増えたとする人の割合は2012年以降の調査でもっとも高かった。「減った」と答えた人の18.9%で、前回調査より2.7ポイント減った。他方、収入増加の満足できている人は31.4%だった一方、満足できていない人は39.1%と不満足としている人が多かった。