社会・経済ニュース
2017年10月17日号
10月13日閉幕した20か国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で「各国が財政再建や構造改革を加速させるべきだ」との認識で一致した。出席した日銀の黒田総裁は日本が目指してきた基礎的財政収支の平成32年度の黒字化を断念した現状を説明したうえで、「財政再建を進め、黒字化目標は堅持する」として引き続き財政再建への取組むことを表明。ただ、国際通貨基金(IMF)が会議で日本の名指しを避けながらも「政府債務が非常に大きくなっている国は財政構造改革を進めた方がよい」と強調した。
森記念財団は世界主要44都市の経済力や住みやすさなどを格付けする「世界の都市総合ランキング2017年版」によると、東京は1位ロンドン、2位ニューヨークに続いて3位となった。ランキングは文化・交流、交通アクセス、経済などの6分野で、GDPや賃金水準、海外からの訪問者数といった70指標を選び点数評価している。東京は昨年、訪日外国人の増加を背景に初めて4位から3位に浮上し、今年は経済分野で市場の魅力などが評価を下げたものの、文化・交流、交通アクセスの分野で評価を上げた。
国連の国際防災戦略(ISDR)の発表によると、世界各地で洪水や台風などの自然災害で、毎年推計1390万人が自宅などを失って避難生活を余儀なくされる災害避難民になる恐れがあると指摘した。ISDRでは地球温暖化などで今後も災害の増加を予想している。国別の年間の発生予想数は、最多がインドの約230万人、中国が約130万人、バングラデシュが約120万人で続き、災害インフラが脆弱な地域で災害避難民が発生するリスクが高いと指摘している。
国土交通省は自動運転車に関する安全基準を初めて導入した。高速道の同一車線を自動走行できる機能を備えた自動運転が普及し始めていることを受けて対応したもので、基準では、運転手がハンドルから65秒以上手を離すと手動運転に切り替える仕組みを搭載することを義務付けている。具体的には、15秒以上手離し運転すると警報を表示し、その後50秒後に自動運転のシステムが停止して手動に切り替わるプログラムの搭載を義務付けている。2019年10月以降の自動運転機能を備えた新型車が対象で、現在販売車種については2021年4月からの適用となる。
スチール缶リサイクル協会の発表によると、2016年度のスチール缶リサイクル率は過去最高の93.9%となったことが分かった。6年連続で90%を超え、2013、15年度に記録した過去最高(92.9%)を更新したことになる。また、2016年度のスチール缶のリデュース(軽量化)率は基準年度の2004年度比で1缶当たり7.71%(2.74グラム)軽量化を達成し、協会が定めた第3次自主行動計画で2020年度に2004年度比8%の軽量化を目指すとしている。
消費者庁が東京電力福島第一原発事故を受けた食品の放射能性物質に関する意識調査を行なった結果、購入をためらう産地として「福島県」を選んだ人の割合はこれまでで最も少な15.0%だった。調査は2013年2月以降、半年ごとに被災地や東京などの大都市圏の住民を対象に実施され、2014年8月の4回目以降減少傾向が続いてきている。拒否感は薄らいできているものの、食品中の放射性物質の検査が行われていることを知らない人は、37.5%で横ばいが続いている。
帝国データバンクの調査によると、レンタカー業を主業とする全国273社の2016年度総収入高は過去10年で最高の1兆648億円1300万円になったことが分かった。7年連続で前年を上回っており、10年前と比較して約25%増加している。外国人旅行者の増加による需要増加や、東北や北陸での新幹線開通効果で行楽需要が増えたことが増収につながっていると同社では分析している。レンタカー事業者の59.7%が「増収」としている。
警察庁のまとめによると、警察官や銀行員を名乗り高齢者からキャッシュカードをだまし取る「カード受け取り型」詐欺被害が1〜8月の全国の被害認知件数は2076件に上り、昨年同期から4.2倍に増えていることが明らかになった。手口は電話で、「逮捕された詐欺グループの証拠品からあなたの口座番号が出てきた」「あなたの講座が不正に使われている」などと恐怖心をあおるもので、警察では「絶対に渡さないで」と呼び掛けている。