社会・経済ニュース
2017年12月19日号
日銀の12月企業短期経済観測調査(短観)で、大企業製造業の景況感を表す業況判断指数(DI)がプラス25となったことが分かった。前回調査(9月)より3ポイント上昇し、5四半期連続で改善し、平成18年12月以来、11年ぶりで高水準となった。一方、大企業非製造業でのDIはプラス23で、前回調査と横ばいだった。中小企業の全産業はプラス11となり、26年ぶりの高水準だった。DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値である。
旅行サイトを運営するエクスペディア・ジャパンが日本をはじめとする世界30カ国の18歳以上の有職者を対象にした調査で、日本人の有休消化率は2連連続で世界最下位にあることが分かった。日本人の平均有給支給日数が20日だったものの消化日数は10日にとどまり、消化率は50%と最下位。有休を取らない理由で、最多は「緊急時のためにとっておく」で、「人手不足」「職場の同僚が休んでいないため」が続いた。
日銀の短観によると、雇用人員が「過剰」と答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた雇用人員判断指数(DI)は、大企業がマイナス19、中小企業がマイナス34となっていることが分かった。いずれもバブル期並みの水準にあると指摘するとともに、とくに中小の建設や運輸、宿泊・飲食サービスなどでは深刻さを増しているとした。日銀では、労働力不足が賃上げにつながるとみている。
厚生労働が2年に1度実施している「医師・歯科医師・薬剤師調査」によると、2016年末時点での医師総数は31万9480人で過去最多となったことが分かった。45都道府県で増加がみられた。人口10万人当たりの医師数の全国平均は240.1人となり、都道府県で最も多い徳島(315.9人)と最少だった(160.1人)とでは約2倍の開きがみられた。人口比での医師数の平均以下となった22道県は東北や関東で、同省では、医師数の西高東低の傾向が見られると指摘している。
日本の言論NPOと中国国際出版集団が共同で実施した世論調査によると、日中双方で「日中関係が悪化している」と見る向きが1年前と比べ大幅に減少していることが分かった。日本人が中国に対する印象を「良くない」と見る向きが1年前の71.9%から44.9%に、そして中国人の日本に対する印象を「良くない」と見る向きが前年から約10ポイント減の66.8%となった。言論NPOは「両国民の間に現状の日中関係に対する判断で改善傾向が顕著になっている」と分析している。
厚生労働省が5年ごとに出生や死亡に関する統計データを基にして作成された「2015年都道府県別生命表」によると、平均寿命が最も長い都道府県は、男性が滋賀(81.78歳)で、女性は長野(87.675歳)だったことが分かった。男性の首位がこれまで5回連続だった長野から交代し、女性の首位が7回連続首位だった沖縄から交代した。他方、最下位は男女とも青森で、首位から最下位までの平均寿命差年齢は、男性が3.11歳、女性が1.745歳の差があった。
政府が9月の北朝鮮の弾道ミサイル発射に際し、全国瞬時警報システム(Jアラート)で避難を呼びかけた東北6県を含む12道県の住民を対象にした調査で、「実際に避難した」と答えた人は5.6%のみだったことが分かった。「避難は不要と考え避難しなかった」が最多の50.8%で、「どうしたら良いか分らず避難できなかった」(26.3%)、「避難が必要と考えたが、時間がなく避難できなかった」(17.3%)が続いた。内閣官房の担当者は「ミサイルが着弾した場合に取るべき行動の周知が不十分だった」としている。
国立国際医療研究センターが15歳以上の男女を対象に調査によると、抗生物質(抗菌薬)がウィルスによる原因のインフルエンザに有効だと誤って理解している人が5割に上ることが分かった。また、抗菌薬がどういうものかを「知っている」人は37%にとどまっていた。同センターでは、ウィルスが原因のインフルエンザに効き目がないことだけでなく、副作用を起したり、抗菌薬の効かない耐性菌を増やしかねないとして、正しい使い方の啓発に努めていくとしている。